「3つだけなんだから、ここでやってよ」予約受け取りカウンターで男性が譲らなかった理由
予約商品の受け取りに、列ができていた
冬の夕方、駅近くの菓子店に立ち寄ったときのことです。
年末が近かったこともあり、店内は仕事帰りの人で混み合っていました。
通常の会計レジとは別に、予約した商品を受け取るためのカウンターがあり、私はその列の三番目に並んでいました。
先頭にいた中年の男性は、店員から大きな紙袋を受け取るところでした。
会計は事前に済んでいたようで、店員が予約票を確認しながら「こちらで以上です」と声をかけています。
すると男性が「あ、ちょっと待って」と言って売り場へ戻りました。
すぐに戻ってきた男性の手には、菓子の箱が3つありました。
「これも一緒にもらうから、会計して」
男性が箱をカウンターへ置くと、店員は少し困った顔をしました。
「申し訳ありません。こちらは予約商品の受け取り専用なので、追加の商品は通常のレジでお願いしているんです」
男性は通常レジのほうを振り返った。そちらにも数人が並んでいました。
「ええ?また並ぶの?同じ店なんだから、ここでやってよ」
「すみません。こちらではお会計ができなくて…」
「3つだけだよ。そんなに時間かからないでしょ」
店員はもう一度、頭を下げました。
「申し訳ありません。追加の商品はこちらではお会計できないんです」
同じ説明をされたのは、それで三度目でした。
男性は目に見えていら立ち始めました。
「いや、だから急いでるんだって。受け取りはここでやってるんだから、それくらいやってくれてもいいでしょ」
店員もどう答えればいいのか迷っているようでした。
その間にも、予約商品を受け取りたい人たちが後ろに並んでいきます。
「責任者の人いる?ちょっと呼んで」
男性がそう言うと、店員は「少々お待ちください」と奥へ声をかけました。
責任者は、隣のレジを開けた
しばらくして、年配の男性が出てきました。
若い店員が「店長、すみません」と声をかけたので、責任者なのだと分かりました。
店長は事情を聞くと、男性に頭を下げました。
「お待たせしました。こちらのカウンターでは追加のお会計ができないんです」
男性はすぐに返しました。
「だから、3つだけなんだよ。また向こうに並ぶのは困るって言ってるの」
店長は通常レジの列を見てから、隣の閉まっていたレジへ向かいました。
「分かりました。こちらを開けますので、今回は私がお会計します」
男性は少し間を置いてから、「じゃあ、それでお願いします」と箱を持って移動しました。
その間に、若い店員は次の予約客へ声をかけました。
「大変お待たせしました」
止まっていた受け取りの列が、ようやく前へ進み始めました。
店長のレジでは、追加された3つの箱の会計が進んでいました。
先ほどまで大きな声を出していた男性も、金額を聞くと黙って財布を開いていました。
会計が終わると、男性は予約商品の袋と追加の箱を持って出口へ向かいました。
若い店員は何事もなかったように次の予約票を受け取り、カウンターの仕事を続けていました。
その様子を見ながら、同じ店の中でも役割の違う窓口があるのだと、あらためて感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














