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2026.09.22(Tue)

「ごめん。生活費がちょっと足りなくて」母が黙って下ろした僕の貯金。だが、2度目の発覚で父が動いた

「ごめん。生活費がちょっと足りなくて」母が黙って下ろした僕の貯金。だが、2度目の発覚で父が動いた

月末ごとに減っていた給料の口座

僕は三十代の会社員で、これは実家を出る前の話になる。当時は毎月の給料を、学生のころに作った口座にそのまま貯めていた。

学生時代、母にお金を下ろしてもらうこともあったため、母も暗証番号を知っていた。通帳とカードも、家族が使う茶の間の棚に置いたままだった。

ある晩、何気なく通帳を確認していて手が止まった。自分では下ろしていない引き出しが、月末に入っていたのだ。

ちょうど風呂から上がってきた母に、僕は通帳を見せた。

「母さん、これ何か知ってる?」

母は通帳を見ると、少し黙ってから目を伏せた。

「……ごめん。生活費がちょっと足りなくて」

僕は驚いたものの、家のために必要だったのなら、お金を出すこと自体が嫌だったわけではない。

「だったら先に言ってよ。一言言ってくれれば断らないのに」

「うん……ごめんね。次からちゃんと言う」

そう言われ、その日はそれ以上責めなかった。

ところが翌々月、また覚えのない引き出しがあった。

「母さん、これ……また?」

母は困ったような顔をした。

「今月もちょっと足りなくなって……」

「前にも言ったよね。一言言ってくれれば断らないのに。勝手に下ろされるのが嫌なんだよ」

「……うん。本当にごめん」

二度目も同じやり取りになり、僕は口で注意するだけでは変わらないと思った。

父が冷蔵庫の横に貼った一枚の紙

その週末、僕は半年分の明細を確認し、自分では下ろしていない行に鉛筆で丸をつけた。

夕飯のあと、通帳を食卓に置き、父と母の前で話をした。

「家にお金を入れるのはいいんだ。でも、知らないうちに減ってるのは嫌だよ。毎月いくら必要なのか、ちゃんと決めない?」

父は黙って通帳を見たあと、母に聞いた。

「足りないなら、俺にも相談してくれればよかっただろ」

母はしばらく黙っていた。

「……言い出しにくくて。少しだけならと思ってしまったの」

父は怒鳴ることもなく、静かに言った。

「でも、黙って下ろすのは違うよ。これからは足りないときに話そう」

父は紙を一枚出すと、僕が毎月家に入れる金額を書いた。その横には、支払った月を記録できるよう簡単な欄も作った。

「このくらいなら無理ないか?」

「うん。それなら大丈夫」

「じゃあ、まずこれでやってみよう」

父はその紙を冷蔵庫の横に貼った。

母は紙を見つめたあと、僕に向かって小さく言った。

「ごめんね」

「もう勝手に下ろさなければ、それでいいよ」

次の月末、僕は決めた額を自分で用意して母に渡した。

「今月の分ね」

「うん、ありがとう」

母は受け取ると、冷蔵庫の横の紙にその月の記録をつけた。

それ以来、僕の知らないところで口座のお金が減ることは一度もなかった。

今は結婚して、家のお金は妻と一緒に管理している。

月末になると、妻が家計の表を見ながら聞いてくる。

「今月の分、もう書いた?」

「あ、まだだった。今書くよ」

そんなやり取りをするたびに、実家の冷蔵庫の横に貼られていた、あの一枚の紙をふと思い出す。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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