「お弁当、明日から同じにしますね」距離感の近すぎる同僚。有給を取った日、送られて来た写真に恐怖
そろえてくる、という執着
どこにでもいそうな、穏やかな同僚だった。
声を荒らげることもなく、誰にでも優しく接する。周りからの評判も悪くない。ただ、私にだけは、距離の詰め方が明らかに違っていた。
最初のうちは、その違和感の正体が自分でもよく分からなかった。
始まりは弁当だった。
ある昼、彼女は私の弁当箱をのぞき込み、うれしそうに笑った。
「お弁当、明日から同じにしますね」
冗談だと思っていた。
ところが翌日、本当に中身までそっくり同じ弁当が彼女の席に並んだ。
それだけではない。文房具も、同じ色、同じメーカーへと静かにそろえられていく。私の一挙一動を、彼女はどこかでずっと数えているようで、気づけばこちらの生活が、少しずつなぞられていた。
私が短い文面を書き込めば、数秒で反応が返る。私しか写っていないはずの写真にまで、その場に居合わせたような感想がついた。趣味が合うだけ、と自分に言い聞かせるには、少し数が多すぎた。
届いた1枚と、上司の一言
決定的だったのは、有給を取った日の朝だ。
家で静かに休んでいた私のもとに、体調を気づかう文面と一緒に、写真が1枚届いた。
写っていたのは、ほかでもない自宅の駐輪場だった。
私はその場所を、職場の誰にも教えたことがない。それなのに、彼女は当たり前のようにそこに立っていたらしい。
偶然で片づけたかった。
けれど「近くまで来たから」という連絡がその後も続き、もう自分に嘘はつけなくなった。
休みの日でさえ、見られている。
そう思うと、家にいても気が休まらなかった。指先が震えるのを感じながら、私は一つの決心をした。
翌日、私は届いた写真の1枚を上司に見せ、これまでの経緯を順番に打ち明けた。上司はしばらく画面を見つめたあと、「これは見過ごせない」と静かに、けれどはっきりと言った。
その一言で、ずっと張りつめていた肩の力が抜けていくのが分かった。
翌週、異動が決まった。私と彼女は別のフロアに分けられ、細く絡みついていたやり取りの糸は、そこできれいに切れた。
あの写真つきの文面は、それきり二度と届かなくなった。
振り返って怖かったのは、相手そのものよりも、すべてを一人で抱え込もうとしていた自分だったのかもしれない。
声に出して、人に頼る。たったそれだけのことで、朝がこんなにも静かになるのだと、私はあの日はじめて知った。
同じ不安を一人で抱えている人がいるなら、どうか信じられる誰かに、まず一言だけでも声をかけてほしい。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














