「次からは買う前に相談して」勝手にバイク用品を買い続けた夫。明細を突きつけた私が、引き出しにしまっているもの
相談もなく増えていく箱
夫のお金の使い方には、以前から悩まされていました。
欲しいものを見つけると、私に相談せずに買ってしまうことがあったのです。
ある日の夕方、仕事から帰って自宅の駐車場に入ると、見覚えのないバイクがとまっていました。
驚いて眺めていると、夫が玄関から出てきました。
「買っちゃった。かっこいいだろ」
「えっ、買ったの?いくらしたの?」
「中古だし、そんなに高くないよ」
「いや、金額を聞いてるんだけど…」
夫は笑ってごまかすばかりで、結局、値段を教えてくれませんでした。
中古とはいえ、数十万円はしそうなバイクです。相談もなかったことに腹が立ちましたが、その日はそれ以上聞くのをやめました。
ところが、それから間もなく、今度は宅配の箱が毎日のように届くようになりました。
ヘルメットに上着、手袋。どれもバイクに乗るための用品です。
ある日、リビングで夫がヘルメットの箱を開けていたので、また聞いてみました。
「ねえ、それいくらしたの?」
「ん?まあ、普通くらい」
「普通って、いくら?」
「頭を守るものなんだから、そこはケチれないだろ」
「それは分かるけど、値段くらい教えてよ」
「もう、いちいちうるさいな」
夫はそう言って、空き箱を部屋の隅へ押しやりました。
確かに安全のために必要なものなのでしょう。でも、私が気にしているのは、金額を教えてくれないことです。
何度聞いてもはぐらかされるので、私は次第に何も言わなくなりました。
伝票と明細を並べた夜
ただ、そのまま見過ごすつもりはありませんでした。
私は届いた箱の伝票を取っておき、用品の値段を自分で調べました。
数万円するものばかりで、カードの明細にも買い物の支払いがずらりと並んでいます。
思っていた以上の金額に、私自身も驚きました。
ある夜、私は集めた伝票と明細をリビングのテーブルに広げ、夫に声をかけました。
「ちょっと、これ見てくれる?」
向かいに座った夫は、テーブルを見て眉をひそめました。
「何これ。こんなに並べなくてもいいだろ」
「何回聞いても値段を教えてくれなかったから。届いた箱の伝票と、カードの明細だよ」
そう伝えると、夫は黙って明細を手に取りました。
一枚ずつ見ていた夫が、しばらくしてぽつりと言いました。
「……こんなに買ってたっけ」
「買ってたよ。空き箱だって、まだそこにあるでしょ」
私が部屋の隅を指さすと、夫は積み上がった段ボール箱を見て、黙りこんでしまいました。
「バイクにお金がかかるのは分かるよ。でも、何も相談せずに次々買われるのは困る」
夫は明細を置き、私の話を聞いていました。
「これからは買う前に相談してほしい。それと、用品に使った分は、お小遣いから少しずつ返してもらいたいんだけど」
夫は少し間を置いてから、うつむいたままうなずきました。
ようやく話ができたものの、これで安心できるかといえば、そうではありません。
私は伝票と明細をまとめ、寝室の引き出しにしまいました。
その引き出しの奥には、以前から離婚届が一枚入っています。
夫はまだ、そのことを知りません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














