「ちゃんと予約してるだろう!」特急券の発券を迫り、列を止めた男性。だが、職員が指さした予約控えの日付に唖然
列のうしろまで響いた、男性の怒鳴り声
昼ごろ、特急券を買おうと駅の切符売り場に寄ったときのことです。
僕が窓口の列の最後尾に並ぶと、前のほうから男性の大きな声が聞こえてきました。
声の主は、40代後半から50代前半くらいの男性。カウンターに身を乗り出し、若い女性の係員に何かを訴えていました。
「ネットで予約してあるんだ。早く発券してくれよ」
男性が差し出していたのは、ネット予約の控えらしい紙でした。
係員は控えと画面を確認すると、困ったような表情で口を開きました。
「申し訳ありません。本日分のご予約としては、確認できないのですが…」
その言葉を聞いた途端、男性の声がさらに大きくなりました。
「はあ?今日の席がないってどういうことなんだよ。ちゃんと予約してるだろう!」
男性は控えをカウンターに押しつけ、指で何度も叩いています。
係員が説明しようとしても、男性は聞こうとしません。
「謝ってほしいんじゃない。今日の席を出せって言ってるんだ!」
「こんな簡単なこともできないのかよ!」
係員は何度も頭を下げていましたが、表情はすっかりこわばっていました。
僕の前に並んでいた年配の女性が、小さくため息をつきました。
男性が窓口を離れないため、列はまったく進みません。僕も困りながら、そのやり取りを見守るしかありませんでした。
職員が指さした、予約控えの日付
しばらくすると、奥から40代くらいの男性職員が出てきました。
職員は若い係員の隣に立ち、男性から予約の控えを受け取ると、落ち着いた声で話し始めました。
「お客様、こちらをご覧ください」
職員は控えの日付欄を指さし、男性の前に置きました。
「お客様のご予約は、明日の日付になっております」
その瞬間、男性の怒鳴り声がぴたりと止まりました。
「……え?」
男性は控えに顔を近づけ、じっと日付を確認しています。
職員が説明したとおり、予約は今日ではなく、明日の列車だったのです。
「こちらの予約では、本日分の指定席は発券できません」
男性は何も言い返さず、控えを見つめたまま立ち尽くしていました。
「本日のお席もお調べできますが、いかがでしょうか」
職員は最後まで穏やかな口調でした。
しかし、男性は何か言いかけたあと、口を閉じました。そして控えを上着のポケットにしまうと、列のほうを見ないまま足早に立ち去っていきました。
あれほど大きな声で責めていたのに、予約の日付が違うと分かった途端、何も言わなくなったのです。
ようやく列が動き始めました。
職員が若い係員の肩にそっと手を置くと、係員は小さく息をつき、待っていた人たちに頭を下げました。
「大変お待たせいたしました」
僕の番になったとき、係員の目はまだ少し赤くなっていました。
それでも、顔を上げてしっかりと声をかけてくれました。
「次のお客様、どうぞ。どちらまでご利用ですか」
自分の予約を確認する前に、あれほど相手を責め立てる必要があったのでしょうか。
最後まで冷静に対応していた職員と、気持ちを切り替えて仕事に戻った若い係員の姿が、今も印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














