「いちいち親が謝っていたら、きりがないですよ」児童館で開き直った母親。だが、わが子の謝罪を見て言葉を失った
泣き出したわが子と、謝ろうとしない母親
休みの日の昼、まだ小さいわが子を連れて児童館へ遊びに行ったときのことです。
子どもがボールプールで楽しそうに遊んでいると、近くにいた幼稚園くらいの男の子が、手に持っていたボールを勢いよく投げました。
次の瞬間、そのボールがうちの子の顔に真正面から当たったのです。
「うわああん!」
子どもは両手で顔をおさえ、その場で泣き出しました。
私は慌ててボールプールのふちにしゃがみ、子どもを抱き寄せました。
投げた男の子も驚いたようで、ボールを持ったまま動けずにいます。わざと当てようとしたわけではなさそうでした。
ただ、気になったのは男の子の母親の態度です。
少し離れたところで腕を組み、こちらを見ていたのですが、声をかけてくる様子がありません。
私は子どもを抱いたまま、母親に声をかけました。
「すみません。今、うちの子の顔にボールが当たったんですけど…」
すると母親は、あっさりと答えました。
「ああ、見てましたよ」
「えっ……見ていたんですか?」
「でも、子どもがやったことですし。いちいち親が謝っていたら、きりがないですよ」
思いがけない返事に、私は戸惑いました。
「でも、まだ小さいので。顔に当たると危ないですし…」
「ボールが当たったくらいで、そんなに大げさにしなくても」
母親はそう言って、視線をそらしました。
責め立てたいわけではありません。ただ、目の前で子どもが泣いているのに、心配する言葉もないことが悲しくなりました。
職員の言葉を聞いた男の子が取った行動
そのとき、泣き声を聞きつけたエプロン姿の女性職員が駆けつけてきました。
職員は状況を見て、ボールを持ったまま立っている男の子の前にしゃがみました。
「ボールプールでは、投げないお約束です」
怒鳴るのではなく、落ち着いた声でゆっくりと伝えます。
そして、私の腕の中で泣いている子どもに目を向けました。
「お友だちの顔に当たっちゃったね。痛かったと思うよ」
男の子はうちの子を見つめ、しばらく黙っていました。
やがて、手に持っていたボールを足もとに置くと、小さな声で言いました。
「……ごめんなさい」
男の子は、うちの子に向かってぺこりと頭を下げたのです。
うちの子も、涙をふきながら小さくうなずきました。
その様子を見ていた周囲の保護者たちが、男の子の母親に目を向けました。
「親がいちいち謝っていたらきりがない」と言っていた母親。その目の前で、男の子自身がきちんと謝ったのです。
母親は何か言おうとしたようでしたが、結局、何も言いませんでした。
顔を赤くすると、男の子の手を取り、引っぱるようにしてボールプールから離れていきました。
その後、職員が私たちのほうを向いて頭を下げました。
「お子さん、大丈夫ですか?気づくのが遅くなって、すみませんでした」
「いえ、来てくださって助かりました。ありがとうございます」
私は子どもの頭をそっとなでました。
子どもはやがて泣きやみ、私の腕から離れると、また笑顔でボールプールへ戻っていきました。
男の子が自分から謝ってくれたことが、何よりうれしかったです。
母親の言葉には最後まで納得できませんでしたが、男の子の小さな「ごめんなさい」が、今も心に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














