「取ったなら、さっさとどいて!」特売日の肉売り場で肉を取った主婦を怒鳴る女性。私が口を挟んだあとの静けさ
特売日の売り場に響いた大きな声
特売日の売り場で、やっと肉を取った女性が怒鳴られました
30代の私は、仕事帰りに近所のスーパーへ寄りました。
この日は精肉の特売日で、売り場はいつもより混み合っていました。
特売品が並ぶ冷蔵ケースの前には数人の客が集まっていて、空いた場所から順番に商品を取るような状態でした。
私の前には同年代の女性がいました。
その女性は、ほかの客が商品を選んでいる間、邪魔にならないよう少し後ろで待っていました。
私もその女性の後ろで待っていると、年配の女性が近づいてきました。年配の女性は私たちの横から棚をのぞき込み、落ち着かない様子で商品を探しています。
やがて棚の前に少し余裕ができ、先に待っていた女性がパックを一つ手に取りました。
ところが、そのパックを買い物かごへ入れようとした瞬間です。
「取ったなら、さっさとどいて!」
突然の大きな声に驚いて顔を向けると、先ほどの年配の女性が険しい表情で怒鳴っていました。
言われた女性は、驚いた様子でパックを持ったまま固まっています。商品を取ってから、まだほんの数秒しか経っていません。
通路を長時間ふさいでいたわけでもないのに、そこまで強く言う必要があるのだろうかと、私は疑問に思いました。
私が声をかけても、年配の女性はさらに声を荒らげました
知らない人同士のトラブルに口を出すのは、正直ためらいがありました。
周りの客も気まずそうに様子を見ていますが、誰も何も言いません。
それでも、先ほどから順番を待っていた女性が一方的に怒鳴られているのを見て、黙っていられなくなりました。
私は年配の女性のほうを向き、できるだけ落ち着いた声で伝えました。
「この方が先に並んでましたよ」
すると、年配の女性は一瞬こちらを見ました。しかし、すぐに不満そうな顔をして言い返してきました。
「私は急いでるの!」
「若い人はネット通販にして!」
予想もしなかった言葉に、私は驚きました。
急いでいる事情はあるのかもしれませんが、だからといって、ほかの客を怒鳴っていい理由にはなりません。
しかも、若い人はネット通販を利用すればいいというのも、ずいぶん勝手な言い分です。
怒鳴られた女性は、申し訳なさそうに視線を落としていました。
思わず笑ってしまった私
私は笑って、急ぐなら家まで届くネットスーパーを勧めました
あまりに一方的な言い分だったので、怒りを通り越して、思わず苦笑いしてしまいました。
もちろん、私も仕事帰りで疲れていましたし、早く買い物を済ませたい気持ちは同じです。
それでも、自分の都合だけでほかの人を急かすのは違うと思いました。
私は少し笑みを浮かべながら、年配の女性に向かって言いました。
「肉は、実物を見て選びたいものですよ」
そして、先ほど年配の女性が口にしたネット通販という言葉を借りて、少し皮肉を込めて続けました。
「お急ぎなら、ネットスーパーへ。」
「家まで届きますよ。」
年配の女性は、予想外の返答だったのか、少し驚いたような顔をしました。
もちろん、ネットスーパーを利用したからといって、今すぐ商品が届くわけではありません。
ただ、若い人にだけネット通販を勧めるのはおかしいと、伝えたかったのです。
年配の女性は顔を赤くして黙り、前の女性と私は笑い合いました
年配の女性は何か言い返そうとしたようでしたが、結局、言葉は出てきませんでした。
不満そうな表情を浮かべたまま、少し顔を赤くして買い物かごを握り直すと、何も言わずに売り場の奥へ移動していきました。
その場にいた客たちも、それぞれ商品を選び始め、売り場にはいつもの雰囲気が戻りました。
すると、先ほど怒鳴られていた女性が私のほうを向き、軽く頭を下げました。
「さっきは助けてもらって、ありがとうございます」
私は少し照れくさくなりながら、笑って返しました。
「とんだ特売日でしたね。」
女性もほっとしたように笑い、私たちはそれぞれ買い物を再開しました。
ほんの短いやり取りでしたが、あの場で声をかけてよかったと思います。
特売日で混雑していると、誰でも気持ちに余裕がなくなることはあります。それでも、お互いに少しずつ譲り合う気持ちは忘れたくないものです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














