「母さんの味と違う、お前の飯はまずいよ」と皿を半分残す夫。義母に習った料理を7日間並べ続けた食卓
半分残された夕飯
夫は私の料理を半分残し、母の味と違うと言います
夫婦共働きで、二人暮らしをしています。仕事から帰ると急いで台所に立ち、夕飯を作るのが毎日の流れでした。
けれど夫は、私の料理をひと口食べるたびに、決まって眉を寄せます。
「母さんの味と違う、お前の飯はまずいよ。」
そう言って皿を半分残し、席を立ってしまうのです。味付けを変えても、品数を増やしても同じでした。
夫が求めているのは、出汁を一から取るような手間のかかる料理です。平日の夜に毎日作れるものではありません。
残された皿を一人で片付けながら、ため息をつく夜が増えていきました。それでも文句は続き、私の我慢は限界に近づいていました。
私は義母に電話をして、煮物の作り方を教わりました
ある週末、私は義母に電話をかけました。そこまで言うなら、母の味をとことん再現してみせようと決めたのです。
「煮物のレシピを、教えてください。」
義母は少し驚きながらも、快く教えてくれました。昆布とかつお節で出汁を取る手順、下ごしらえの順番、火加減と煮る時間。メモを取る手が追いつかないほどで、聞けば聞くほど手間のかかる料理だとわかりました。
「あの子は昔から、手のかかった物しか食べなくてね。」
電話の向こうで、義母は少し申し訳なさそうに笑いました。
「あなたも、毎日大変でしょう。」
その言葉を聞いて、私の心は決まりました。
毎晩並べ続けた母の味
教わった手間のかかる料理を、毎晩並べ続けました
翌週から、私は毎晩遅くまで台所に立ち、教わった煮物を中心に、手間のかかる料理を食卓に並べました。
朝は早めに起きて下ごしらえを済ませ、帰宅してから出汁を取り、煮物と揚げ物と焼き物を順に仕上げます。食卓には毎晩、五品も六品もの皿が並びました。
初日の夫は上機嫌でした。
「そうそう、これが母さんの味だよ。」
ところが三日目になると、箸の進みが目に見えて遅くなりました。四日目には、似たような料理がずらりと並ぶ食卓を前に、夫はぽつりとこぼします。
「今日も、これか……。」
それでも私は何も言わず、手間のかかる料理を出し続けました。
七日目、夫は箸を置き、自分が間違っていたと認めました
七日目の夜、夫はとうとう箸を置きました。顔色はさえず、胃のあたりを手で押さえています。
「もういい、俺が間違ってた。」
私はにっこり笑って、夫の顔をのぞきこみました。
「お義母さんの味、もっと再現する?」
夫は首を何度も横に振りました。あれほどこだわっていた母の味のことは、もう口にしません。
何か言いかけたものの、そのまま言葉を飲み込みました。
「明日からは、いつものご飯がいい。」
「せっかく覚えたのに、いいの?」
「いい、本当にいいから。」
それ以来、夫が私の料理に文句を言うことはなくなりました。今では普段の夕飯にも、ごちそうさまと一緒にお礼を言ってくれます。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














