「あんたには奥さんがいるでしょ」年末年始、義姉の家に遊びに行った夫が追い返されたワケ
新婚初の年末、一人で出かけていった夫の背中
結婚して初めて迎える年末でした。
夫の実家には、近所に嫁いだ義姉と県外から戻ってくる義姉、ふたりの姉がいて、甥っ子たちのために海鮮を用意して巻き寿司パーティをするのが毎年の恒例だと聞いていました。
その日の昼下がり、夫がスマホを片手にぱっと顔をあげました。
兄弟のメッセージグループに、義姉から計画が回ってきたのです。
「一緒に行く?」
そう聞いてくれたものの、新婚の私はまだ義実家に気を遣う時期。
「私はいいから、一人で行ってきなよ」と返したら、夫はあっさり笑って即答です。
「ありがとう!」
…えっ、本当に行くんだ。
私はリビングでぽつんと一人。
出ていく前にちょっとくらい迷ってほしかった、という小さな期待は、玄関の閉まる音と一緒に消えていきました。
新婚初めての年末。嫁を置いて、自分だけ実家のパーティを楽しみに行く夫の背中。
驚きと悲しさで、テーブルの上のお茶がいつまでも冷えませんでした。
窓の外は冷たい乾いた風が吹いて、年末特有の慌ただしさを運んでくる。本当ならこの時期は、二人で買い出しに行ったり、年越し蕎麦の段取りを話したりしているはずでした。
それなのに、私はソファで一人、テレビの音量だけを上げて時間をやり過ごしていたのです。「気を遣わないで」と言いつつ、心のどこかで「気を遣ってよ」と願っている。
新婚の自分のわがままを、口に出す前に飲み込み続けた数時間でした。
玄関で義姉が告げたまっとうな一言
ところがどっこい、それから二時間も経たないうちに玄関のチャイムが鳴ったのです。
出てみると、夫がばつの悪そうな顔ですごすご立っていました。
聞けば、家に上がるなり義姉たちが手を止めて、こう言ったそうなのです。
「これは子どもたちのための会」
「あんたには奥さんがいるでしょ」
玄関先で正論をぴしゃりと突き付けられ、巻き寿司を一切れも食べさせてもらえず追い返された夫。
義姉たちのまっとうさに、私は思わず笑ってしまいました。
新婚の弟が嫁を一人置いて来ている、その違和感を一番先に感じ取ってくれたのは、嫁いだ立場の義姉たちだったのです。
彼女たちもきっと、新婚の頃に同じような場面を一度は経験しているのでしょう。
でも、笑いながら胸の奥に小さなため息が落ちました。
義姉が言ってくれなかったら、きっと夜遅くまで甥っ子たちと笑って帰ってきたのでしょう。新婚初の年末、私が直接夫に伝えられなかった本音を、義姉が代わりに玄関で告げてくれた。それが少しだけ、寂しいのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














