「私も運転したいから買って買って!」とファミリーカーを毎日借りにくる義母。だが、夫が告げたルールに黙った瞬間
買い替えに乗り気だった義母
3人目の妊娠が分かり、今の車では家族が乗りきれなくなった。
夫と話し合って、大きめのファミリーカーに買い替えることにしたのだ。その計画を義母に伝えたとき、思いのほか前のめりな返事が返ってきた。
「私も運転したいから買って買って!」
そのときは、たまに乗りたいだけだろうと深く考えなかった。義母も喜んでくれているのだと、むしろ嬉しいくらいだった。それが間違いだったと気づくのは、納車されてからのことだ。
毎日かかってくる電話
納車されると、義母はほぼ毎日のように電話をかけてくるようになった。
「車貸して」
買い物、友人との外出、ちょっとした用事。理由をつけては鍵を借りにくる。最初は応じていたものの、返ってくる車はガソリンが減ったまま、運転席の位置も毎回ずらされていた。
大きくなったお腹を抱えて、検診の予約も増えていく。
自分たちが使いたいときに限って、先に義母から電話が入る日もあった。
「今日も車貸してくれる?」
毎日そう言われ続けると、だんだん貸すのが嫌になってくる。
私たちが必要があって買った車なのに、いつの間にか義母の都合が優先されていた。検診の予定とぶつかった日は、わざわざ別の交通手段を探さなければならない。
なんのために大きな車を買ったのか分からなくなってきた。断る勇気が出ず、曖昧に流すたびに、もやもやだけが溜まっていった。
夫が示した貸し借りの条件
そんな私の様子に気づいた夫が、ある晩、義母に電話をかけた。そして落ち着いた声で、けれどはっきりと告げた。
「うちの車、貸し出し業じゃないので」
妊娠中の妻と子どもたちのための車であること、毎日の貸し借りはこれで終わりにすること。
その上で、「遠出のとき、こっちが隣に乗っているなら運転してもらって構わない」と条件を一つだけ残した。
義母は「そんなつもりじゃなかった」と言いかけたものの、その先の言葉が出てこなかった。
受話器の向こうで、しばらく沈黙が続いた。やがて義母は小さな声で「分かった」とだけ答えた。
翌日から、あれほど毎日かかってきた電話はぱたりとやんだ。顔を合わせても車の話は出ず、義母はどこか決まり悪そうに、私の体調ばかり尋ねてくる。
週末に遠出で同乗をお願いしたときも、義母は嬉しそうにハンドルを握り、これまで以上に丁寧に運転してくれた。条件がはっきりしたことで、こちらも気持ちよく頼めるようになったのだ。
たった一本の線を引いただけで、こんなに穏やかに過ごせるとは思わなかった。隣で堂々と話してくれた夫の横顔を、私はそっと見つめていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














