「普通は気づくだろ。客を馬鹿にしているのか」値引き漏れに怒る客。だが、次の客がかけた一声で空気が一変
列の前で、会計が止まりました
仕事帰りにスーパーへ寄ったときのことです。夕方だったこともあり、どのレジにも何人か並んでいました。
私の前で会計をしていた男性が、レシートを見るなり店員さんに声をかけました。
値引きの札が貼られていた商品が、元の値段で会計されていたようです。
若い女性の店員さんが確認すると、すぐに間違いに気づきました。
「申し訳ありません。すぐに訂正いたします」
ところが男性は、だんだん声を大きくしていきました。
「普通は気づくだろ。客を馬鹿にしているのか」
列の後ろにいた私にも、はっきり聞こえました。
店員さんはもう一度頭を下げ、値引き額を確認して会計をやり直していました。男性はいら立った様子で、ときどき入口のほうへ目を向けています。
訂正が終わると、男性は商品を受け取ってそのまま店を出ていきました。
私はずっと後ろで見ていましたが、間に入って何か言うことはできませんでした。
自分の番になって、ようやく言えたこと
次は私の番です。
ところが店員さんは、私がかごを置いてもまだ少しうつむいたままでした。
何か励まそうと考えたわけではありません。ただ、このまま無言で会計をするのも違う気がして、私は口を開きました。
「値引きの札、私もよく見落とすんですよ」
店員さんが顔を上げました。
「会計が終わってから気づくこともありますよね」
もちろん、店員さんの間違いがなかったことになるわけではありません。それでも、私は少なくとも怒ってはいないと伝えたかったのだと思います。
店員さんは少し驚いたような顔をしたあと、小さく笑いました。
「ありがとうございます」
それからは、いつものレジと変わらない様子で商品を一つずつ読み取り、会計を進めてくれました。
私が商品を受け取るころには、声も先ほどより落ち着いていました。
間違いを指摘することと、怒鳴ることは別でした
店を出ながら、私は先ほどのやり取りを思い返しました。
値引きが反映されていなければ、客が確認したくなるのは当然です。店側も間違いがあれば訂正する必要があります。
ただ、同じことを伝えるにしても、言い方はあったのではないかと思います。
私は列に並んでいる間は何も言えませんでした。それでも、自分の番になってからなら、店員さんに普通に話しかけることができました。
ほんの短いやり取りでしたが、険しかったレジの空気が少しだけ元に戻ったように感じた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














