「もう5分も待ってるの!」カフェで大声で急かす客。だが、店員が崩さなかった対応
大きな声が上がっても、順番は変わらなかった
半年ほど前の夕方、駅のそばのカフェに立ち寄ったときのことです。
注文を済ませると、番号の書かれたレシートを渡されました。
受取カウンターの近くには、私を含めて五人ほどが待っています。
店員さんが番号を呼ぶたび、その人がカウンターへ進んで商品を受け取る仕組みでした。
私もレシートを手に、自分の番号が呼ばれるのを待っていました。
そこへ、あとから注文を終えた一人の客が、まっすぐ受取カウンターの前まで進んでいきました。
そして店員さんに向かって、大きな声を出したのです。
「急いでるんだから、私の注文を先に出してよ。もう5分も待ってるの!」
近くにいた人たちが、一斉にそちらを見ました。私も驚きましたが、声をかけることはできませんでした。
店員さんは作業を続けながら、落ち着いた声で答えました。
「番号順にお呼びしますので、少しお待ちください」
すると、その客はさらに声を強めました。
「接客の態度が悪い。店長を呼びなさい」
店員さんは言い返しませんでした。ただ、先ほどと同じように、もう一度伝えました。
「番号順にお呼びしますので、少しお待ちください」
店長が出てくることはなく、その後も店員さんは目の前の注文を一つずつ仕上げていました。
その人も、番号を呼ばれてから受け取った
しばらくすると、また番号が呼ばれました。
先に待っていた人たちの商品が、順番に渡されていきます。大きな声を出した客の商品だけが先に出ることはありませんでした。
やがて、その人の番号も呼ばれました。
その客はまだ何か小さく言いながら商品を受け取ると、そのまま店を出ていきました。
誰かが注意したわけでもありません。店から追い出されたわけでもありません。ただ最後まで、受け取りの順番だけは変わりませんでした。
そのあと、私の番号も呼ばれました。
カウンターへ行くと、先ほど対応していた店員さんがいつもと変わらない様子で商品を渡してくれました。
私は思わず、小さな声で言いました。
「大変でしたね」
店員さんは少しだけ頭を下げました。
「ありがとうございます。お待たせしました」
私は何も言えなかったし、周りの人も同じでした。それでも、声の大きさで順番が変わることはありませんでした。
店を出てからも、私はしばらく手にしていたレシートを見ていました。あのとき印象に残ったのは、大きな声そのものより、最後まで淡々と番号を呼び続けていた店員さんの姿でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














