「家族の金なんだから」子どもの貯金を借金返済に使った夫。だが、弁護士の説明を聞き、言葉に詰まった瞬間
子どもの通帳から消えた貯金
子どもの名前で作った口座には、お年玉や親戚から子どもに贈られたお祝いを、少しずつ貯めてきました。
いつか子どもが必要とするときのために、手をつけずに残しておきたかったのです。
ところが、久しぶりに記帳した通帳を開いた瞬間、私は目を疑いました。
覚えのない引き出しが何度も続いていて、貯めてきたお金がなくなっていたのです。
その夜、私はリビングのテーブルに通帳を広げ、ソファに座っていた夫に尋ねました。
「ねえ、これどういうこと?何度もお金が引き出されてるんだけど」
夫は横目で通帳を見ると、面倒くさそうに首をかきました。
「ああ、借金の返済に使ったよ」
あまりにあっさりした返事に、私は言葉を失いました。
「えっ、勝手に?それ、子どものお金だよ。なんで相談してくれなかったの?」
すると夫は舌打ちをして、ソファにふんぞり返りました。
「家族の金なんだから」
「家族のお金って…。だからって、勝手に使っていいわけじゃないでしょ」
けれど夫は顔をそむけ、それ以上話そうとしませんでした。
子どものために大切に残してきたお金を、何の相談もなく借金の返済に使われたことがショックでした。
それ以上に、私が怒っている理由さえ理解してもらえないように感じたことが、つらかったのです。
私はこの一件をきっかけに、離婚を決めました。
弁護士からの指摘に、夫は言葉を失った
その後、昼の法律事務所で話し合いが行われました。
私と私の弁護士が並んで座り、テーブルの向こうには夫と夫の弁護士が座っています。
子どもの口座の話になると、夫は椅子にもたれたまま言いました。
「だから、あれは家の金だって。子どもの物ってわけじゃないだろ」
私の弁護士は、通帳の引き出し記録をまとめた紙を夫の前に差し出しました。
「まず、こちらを確認してください。お子さんの口座から引き出された記録です」
夫は面倒そうに紙へ目を落としました。
弁護士は落ち着いた声で続けました。
「この口座には、お子さんがもらったお年玉やお祝いを貯めていたと伺っています」
「だから何ですか?家族の金でしょう」
「そう単純には言えないんです。子ども名義の口座でも、誰のお金なのかは、その出どころや贈られた目的によって判断されます」
夫は黙って弁護士の話を聞いていました。
「今回のように、お子さん本人に贈られたお金であれば、お子さん自身の財産と考えられる可能性があります。親が管理しているからといって、自由に使ってよいとは限りません」
「いや、それは…」
夫は何か言いかけましたが、言葉が続きません。
弁護士はさらに続けました。
「借金の返済に使われた分については、お子さんの口座へ戻すことも含めて、話し合いたいと思います」
夫は隣の弁護士に目をやりました。
夫の弁護士も記録に目を通し、小さくうなずきました。
それまで「家族の金だ」と言い張っていた夫は、もう何も言い返さず、テーブルの上の紙を見つめていました。
あの夜、ソファにふんぞり返っていたときとは違い、その肩は小さく丸まっていました。
話し合いのあと、引き出されていた分のお金は子どもの口座に戻されました。
再び記帳した通帳に入金の記録が並んでいるのを見て、私はようやく肩の力が抜けました。
通帳を棚の奥にそっとしまいながら、子どものために残してきたお金が戻ってきたことに、心からほっとしたのでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














