「若いのに、付き合いが悪いなあ」仕事で町内会の行事を断った僕。だが、集会所で会長が役員に伝えた一言
一度引き受けただけなのに
僕はこれまで、町内会の行事にはほとんど参加していませんでした。
平日は帰りが遅く、休日も仕事が入ることが多かったからです。
そんなある日、町内会の役員の男性から清掃への参加を頼まれました。
ちょうど仕事が休みだったので、僕は引き受けることにしました。
「若い人がいると助かるよ。また頼むな」
清掃が終わると、役員はうれしそうにそう言いました。
ところが、それからは行事のたびに、役員が家まで声をかけに来るようになったのです。
ある夜、仕事から帰ってきたところを玄関先で呼び止められました。
「今度の草むしり、出られるよな?」
「すみません。その日は仕事なんです」
「えっ、また?前は来てくれたじゃないか」
「あの日は、たまたま休みだったので……」
役員は小さく舌打ちをすると、僕のスーツと通勤かばんに目をやりました。
「若いのに、付き合いが悪いなあ」
それからも、参加を断るたびに小言を言われるようになりました。回覧板を届けに来たときにも、行事に出ないことをぼやかれます。
参加できるときは協力したいと思っていましたが、毎回となると難しいものです。
いつしか、玄関先で役員の姿を見るだけで気が重くなっていました。
町内会長が指摘した意外な事実
しばらくして、集会所で行事の打ち合わせが開かれました。
また参加しないことで何か言われるのも嫌だったので、僕は仕事の休みを取って出席しました。
長机を囲んで近所の人たちが資料を見ていると、役員が僕に気づきました。
「おっ、今日は来たんだな」
「はい。今日は休みを取れたので」
すると役員は、周りの人にも聞こえる声で言いました。
「いつもこうやって来てくれると助かるんだけどな。若いのに、なかなか出てくれなくてね」
何人かが気まずそうに目をそらしました。
せっかく休みを取って来たのに、またその話か。僕は何も言えず、手元の資料に目を落としました。
そのとき、町内会長が口を開きました。
「仕事があるんだから、毎回は難しいでしょう」
「いや、でもね。町内のことなんだから、若い人にも協力してもらわないと」
「それはそうだけど、できるときに協力してもらえばいいんじゃない?」
会長はそう言ってから、役員のほうを見ました。
「そういえば、去年の当番は全部奥さんが出ていたでしょう」
「ああ、まあ……そうですね」
「行事のときも、奥さんが一人で来てくれていたわよね」
隣に座っていた男性も、「そういえば、ご主人は見なかったですね」と口にしました。周りの人たちもうなずいています。
「それぞれ事情があるんだから、出られないことを責めても仕方ないでしょう」
会長がそう言うと、役員は「まあ、そうですけど……」と小さく答え、黙ってしまいました。
さっきまで僕に向けられていた小言も、それ以上は続きませんでした。
「じゃあ、そろそろ段取りを決めましょうか」
会長の声で、みんなが資料をめくり始めました。
僕もようやく顔を上げ、打ち合わせに集中することができました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














