tend Editorial Team

2026.11.06(Fri)

「ちゃんと声で伝えたほうが礼儀よ」義母から突然届いた10個のスタンプ。何かあったのかと心配して電話すると、義母の思わぬ反応に苦笑い

「ちゃんと声で伝えたほうが礼儀よ」義母から突然届いた10個のスタンプ。何かあったのかと心配して電話すると、義母の思わぬ反応に苦笑い

妻の実家では電話が当たり前

妻と暮らしはじめたころ、僕が少し戸惑ったのは、妻の実家との連絡の取り方でした。

法事の日取りを確認するときも、旅行のお土産のお礼を伝えるときも、基本的には電話。

メッセージで済ませることは、ほとんどありませんでした。

僕は仕事で会議が続く日も多く、昼間に電話をかけるタイミングを逃してしまうことがよくありました。

ある日、妻の実家で夕食をごちそうになったあと、義母と台所で皿を拭きながら、思い切って聞いてみました。

「お母さん、連絡ってメッセージでも大丈夫ですか?昼間はなかなか電話できなくて」

すると義母は、少し考えてから答えました。

「そうねえ。でも、ちゃんと声で伝えたほうが礼儀だと思うのよ」

「ああ、なるほど。わかりました」

義母に悪気がないことはわかっていましたが、正直なところ、少し面倒に感じていました。

あとで妻に話すと、妻は苦笑いしました。

「母は昔からそうなの。電話のほうがちゃんとしてるって思ってるんだよね」

それから僕は、義母に連絡するときは昼休みに会社の廊下へ出て、電話をかけるようになりました。

「もしもし、お母さん。来月の法事のことで、ちょっと確認したいんですけど」

家族への電話なのに、なぜか毎回少し緊張します。

この先もずっと、義母とは電話でやり取りするのだろうと思っていました。

スタンプが10個も届いた夜

ところが、それから数年がたったころ、義母に変化がありました。

孫に教わって、携帯電話でメッセージを送れるようになったのです。

最初は文字を打つのが難しいのか、届くのはスタンプばかり。

それでも使うのが楽しいようで、次第に朝も昼も夜も、かわいいスタンプが送られてくるようになりました。

ある夜、妻とソファでくつろいでいると、僕の携帯電話が何度も震えました。

画面を見ると、義母からスタンプが10個も続けて届いています。

手を振るねこや、花束を持つねこ、布団にもぐるねこ。どれもかわいいのですが、文章は一つもありません。

「え、何これ。10個も来てるんだけど」

妻に画面を見せると、妻は笑いながら言いました。

「ああ、母ね。最近ずっとそんな感じだよ」

「でも、何か用事があるのかもしれないし…」

「たぶん大丈夫だと思うけど」

少し迷いましたが、何か伝えたいことがあるのかもしれないと思い、念のため電話をかけることにしました。

呼び出し音が数回鳴り、義母が出ました。

「もしもし、お母さん?大丈夫ですか?」

「え?どうしたの、急に」

「いや、スタンプがいっぱい来てたので。何かあったのかなと思って」

「ああ、あれ?おやすみって意味で送っただけよ」

「あ、そうだったんですね」

安心した僕に、義母は続けてこう言いました。

「それに、急に電話なんて、迷惑でしょう。用事があるならメッセージでいいのよ」

「えっ……あ、はい」

思わず返事に詰まってしまいました。

あれほど電話で伝えるのが礼儀だと言っていた義母が、今ではメッセージのほうがいいと言っているのです。

隣で話を聞いていた妻は、口元を押さえて笑っています。

電話を切ったあと、僕が「お母さん、ずいぶん変わったね」と言うと、妻はとうとう吹き出しました。

「でしょ?今はメッセージのほうが楽しいみたい」

僕もおかしくなって、つい笑ってしまいました。

そのあと、僕は初めて義母にスタンプを返しました。選んだのは、布団にもぐるねこのスタンプです。

すると、すぐに3つのスタンプが返ってきました。

「ほら、また来た」

画面を見せると、妻はまた笑い出しました。

あれほど電話をかけるタイミングに気を使っていたのに、今ではスタンプ一つで済むようになったのです。

少し拍子抜けしましたが、義母が楽しそうなので、これはこれでよかったのかもしれません。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.06(Fri)

「みんなも、俺の接客を真似しろよ!」と手紙を自慢する課長。通りかかった部長の一言で、朝のオフィスが一変
tend Editorial Team

NEW 2026.11.06(Fri)

「結婚に反対されてるのかな」結婚のあいさつで出されたのは、色の薄いお茶。不安だった私が数年後に知った温かい真実
tend Editorial Team

NEW 2026.11.06(Fri)

「夕飯が遅いのは、野菜を先に切らないからだよ」とソファから口を出す夫。エプロンを手渡して任せた一時間後の本音
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.10.16(Fri)

「お宅に迷惑かけてないでしょ」玄関前にゴミ袋を置き続けた隣人。退去の日、管理会社が確認した床の汚れと写真
tend Editorial Team

2026.09.18(Fri)

「これ、広告に出てたやつやろ?」レジで値段が違うと訴えた客、店長がチラシの横に商品を置いた結果
tend Editorial Team

2026.06.09(Tue)

「頑張っても給料は変わんないよ」短期バイト先で同僚が告げた一言。だが、現場担当者の一言で状況が一変
tend Editorial Team