「これ、広告に出てたやつやろ?」レジで値段が違うと訴えた客、店長がチラシの横に商品を置いた結果
レジで止まった男性客の会計
休日の午後、特売の広告を見て、いつものスーパーへ出かけた。
レジはどこも混んでいて、私は一番端の列の後ろについた。
少しずつ列が進み、私の前には男性客が一人。その人の会計が始まったところで、突然動きが止まった。
男性はレジに表示された金額を見て、店員さんに声をかけた。
「ちょっと待って。これ、広告に出てたやつやろ? 値段違うやん」
店員さんは商品を手に取り、ラベルを確認した。
「申し訳ありません。広告に載っているものとは、別の商品なんです」
しかし男性は、納得できない様子で眉を寄せた。
「いや、見た目ほとんど同じやん。広告の値段やと思って持ってきたんやけど」
「よく似ているんですが、商品名と内容量が違っていまして…。こちらは通常価格の商品になります」
男性はもう一度レジの表示を見た。
「でも、これじゃ間違えるやろ。俺は広告のやつやと思ってたんやで」
少しずつ声が大きくなり、周囲の視線が集まり始めた。
私の後ろにも人が続き、気づけば列は6人ほどになっていた。
隣のレジに並ぶ人も、ちらりとこちらを見ている。
店員さんは困った表情を浮かべながら、男性に頭を下げた。
「少々お待ちいただけますか。確認いたします」
そう言って呼び出しボタンを押した。
チラシと商品を並べると
ほどなくして、店長の名札をつけた男性がやってきた。手には特売商品が載ったチラシがあった。
「お待たせしました。どの商品か、一緒に確認させてください」
店長はチラシをレジ台に広げ、男性が持ってきた商品をその横に置いた。
「広告に載っているのはこちらです」
店長がチラシの商品名を指し、続けて手元の商品ラベルを示した。
「こちらは名前が少し違っていて、内容量も違います。パッケージが似ているので、分かりにくかったかもしれません」
男性は黙ったまま、チラシと商品を交互に見た。
そして少しして、商品のラベルを見ながらつぶやいた。
「…量が違うんか」
「はい。広告の商品はこちらではないんです」
店長が穏やかに答えると、男性の声も少し小さくなった。
「そっか。写真だけ見て、同じやと思ってたわ」
男性はしばらく商品を見ていたが、やがて店員さんに差し出した。
「じゃあ、これはやめとくわ。悪かったな」
「いえ、大丈夫です」
店員さんはその商品を会計から外し、残りの商品を通した。男性は支払いを済ませると、そのままレジを離れていった。
店員さんは続いて私たちのほうへ向き直り、小さく頭を下げた。
「お待たせして申し訳ありませんでした」
止まっていた列が、ようやくまた動き始めた。
言葉だけではなかなか伝わらなかった違いも、商品とチラシを並べれば一目で分かる。強く言い返すのではなく、目の前で確認してもらう店長の対応が印象に残った出来事だった。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














