「うるさくて寝れないんだけど」夜泣きを5分で投げ出した夫。だが、私が返した一言で態度が一変
寝室から出てきた夫
その日も、娘の夜泣きは1時間を超えていた。
抱っこ紐も、白湯も、子守唄も効かない。腕の中で娘は反り返り、声を張り上げて泣く。
時計の針は二時を回り、外はまだ真っ暗だった。
肩の感覚がなくなってきた頃、寝室のドアが開いた。
「うるさくて寝れないんだけど」
夫は髪をかき上げながら、リビングの入口に立った。
「ごめん。少しだけ代わってくれない?」
夫は娘を見て、それから壁の時計を見た。
「1時間あやして、泣き止んでないだろ」
だから代わってほしいのだと、もう一度言った。
夫は聞いていなかった。
「それ、何もしてないのと一緒じゃん」
腕の中の重さが、急に増した気がした。抱いた1時間も、揺らした回数も、この人には見えていないらしい。
「結果が出てないってこと。俺なら十分で寝かせるよ」
私は黙って、娘を差し出した。
十分どころか
夫の腕に移った瞬間、娘の泣き声は跳ね上がった。
「おー、よしよし。パパだぞー」
私はキッチンの椅子に座って、時計を眺めていた。秒針が、やけにゆっくり進む。
一分。娘は夫の胸を押し返して泣く。
二分。夫の声から、余裕が消える。
三分。夫は抱き方を何度も変えた。そのたびに泣き声が大きくなる。
「なんだよ、なんで泣くんだよ」
揺らし方が強いよ、と教えたが、夫は聞き返しもしなかった。娘の泣き声は、部屋の壁に跳ね返るほど大きくなっていく。
四分を過ぎたあたりで、夫の額には汗が浮いていた。首筋も、パジャマの襟も湿っている。そして、5分が経つ前に音を上げた。
「もう無理。やっぱ代わって」
私は椅子から立たなかった。
「5分も経ってないのに、何もしてないのと一緒じゃん」
夫の顔から、表情が抜けた。
まばたきも忘れたように、夫は私を見ている。
「さっき言ったよね。結果が出てないなら、何もしてないのと一緒って」
夫は口を開いて、閉じた。もう一度開いて、また閉じた。反論を探しているのが、こちらから見えていた。
娘は、夫の腕の中で泣き続けている。
「……ごめん、言い過ぎた」
夫はそう言って、娘を私に差し出した。受け取って揺らすと、娘は静かに目を閉じた。夫はソファに座り込んで、その寝顔をじっと見ていた。
翌週から、夜泣きが始まると先に動くのは夫になった。私が起き上がる前に、もう娘を抱えている。
先日、40分抱いても泣き止まない娘を抱えて、夫が情けない声を出した。
「これ、毎晩やってたの?」
1時間コースの日もあるよ、と答えると、夫は返事をせず、黙って娘を揺らし続けた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














