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2026.09.13(Sun)

「もう、何を信じたらいいのか分からない」別れた数週間後、郵便局に届いた包みを受け取らなかったワケ

「もう、何を信じたらいいのか分からない」別れた数週間後、郵便局に届いた包みを受け取らなかったワケ

1年つきあった人の話が、最後に全部ずれた

離れた土地に住む人と、1年ほど付き合っていた。会えない時間のほうが長かったから、私はその人が話すことを疑わずに聞いていた。

終わりのきっかけは、別の相手とのやり取りを知ったことだった。別れたいと伝えると、その人の口から、それまで一度も聞いたことのない話が次々と出てきた。

「仕事のことも……本当は、今は働いてない」

「え? 待って。会社の話、ずっとしてたよね」

「あれは……そう思われてただけで」

「そんなの、私に分かるわけないよ」

しばらく黙ったあと、相手はまた口を開いた。

「大学のことも、本当は話してたところと違う」

「……じゃあ、今まで聞いてた話は何だったの?」

返事はなかった。

「もう、何を信じたらいいのか分からない」

そう言うのが精いっぱいだった。どれが本当だったのかを一つずつ確かめる気力は、もう残っていなかった。

別れたあとには、「近くまで来た」という連絡が深夜に2度届いた。

そのうちの一度、窓の下を見ると見覚えのない車が止まっていた。その車が相手と関係していたのかは分からない。それでも怖くなり、私はカーテンを閉め、明かりを消したまま朝まで過ごした。

窓口で送り状を見て、手が止まった

数週間後、郵便受けに不在票が入っていた。荷物が届いているらしい。

心当たりはなかったが、翌日の昼、私は不在票を持って郵便局へ向かった。

番号を呼ばれて窓口へ行くと、係の人が奥から四角い包みを持ってきた。

「こちらのお荷物ですね」

差し出された包みに目を落とした瞬間、私は動けなくなった。

送り状に書かれた差出人の住所に、見覚えがあった。

相手から聞いていた住所だった。

「……すみません」

係の人がこちらを見る。

「これ、受け取りません」

口にすると、自分でも驚くほど声が小さかった。

「受け取りを辞退されるということでよろしいですか?」

「はい。お願いします」

係の人は理由を聞くことなく、手元を確認してうなずいた。

「わかりました。こちらで手続きをしますね」

「ありがとうございます」

結局、中に何が入っていたのかは分からないままだ。

郵便局を出たところで、自分の名前を呼ばれたような気がして振り返った。

けれど、そこにいたのは知らない人ばかりだった。

その後も何年かのあいだ、差出人名の違う郵便物が届くことがあった。住所もその都度違っていた。

同じ人が送っているのか、確かめることはできなかった。ただ、封筒に書かれた文字の癖が似ているように見えるたび、胸の奥がざわついた。

私は自分の名前や連絡先を出している場所を少しずつ見直し、連絡先も変えた。

そして今年、また差出人名の違う郵便物が郵便受けに入っていた。

私は開けなかった。

しばらく封筒を見たあと、これまで届いたものの上に、そっと重ねた。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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