「ケチケチすんなや!」値引き対象外の焼き鳥を手に怒鳴った男性。だが、店長の対応で態度が一変
値引きシールを求めて怒鳴り出した男性
近所のスーパーの惣菜売り場では、毎日決まった時間になると値引きシールが貼られます。
私はその時間に合わせて買い物に行くのが、いつのまにか習慣になっていました。
その日も惣菜売り場で待っていると、店員さんが値引きシールを発行する機械を持ってやってきました。
少し離れたところには、同じ時間によく見かける年配の女性もいます。目が合うと、いつものように小さく会釈してくれました。
店員さんが揚げ物にシールを貼り始めた、そのときです。
男性客が買い物かごを持って近づき、中から焼き鳥のパックを取り出しました。
「なあ、これにも貼ってくれへんか」
「少々お待ちくださいね。確認します」
店員さんは機械でバーコードを読み取り、画面を確認しました。
ところが、申し訳なさそうに首を横に振ります。
「すみません。こちらは値引きの対象外なんです」
すると男性の表情が一変しました。
「はあ?ケチケチすんなや!」
突然の大声に、私は思わず顔を上げました。
「申し訳ありません。こちらの商品は…」
「だから、ケチケチすんなやって!」
男性は店員さんの説明を遮り、もう一度怒鳴りました。
店員さんは機械を握ったまま、困り果てた様子です。
近くにいた年配の女性も心配そうに男性を見ていました。
店長が伝えた、値引きのルール
騒ぎに気づいた店長さんが、売り場にやってきました。
「どうされましたか?」
男性は焼き鳥のパックを持ち上げました。
「これにもシール貼ってくれって言うてるのに、あかんって言うんや!」
店長さんは店員さんに確認しました。
「こちらは対象外で間違いないですか?」
「はい。確認したんですが、対象になっていなくて…」
店長さんはうなずくと、男性に向き直りました。
「お客様、申し訳ありません。値引きは商品ごとに確認して行っておりますので、こちらの焼き鳥は本日、対象外なんです」
「でも、ほかのには貼ってるやないか」
「はい。今、シールを貼っている商品はお安くなります。ただ、すべての商品を値引きできるわけではないんです」
店長さんは声を荒らげず、落ち着いた口調で説明を続けました。
男性は納得できない様子でしたが、それ以上は怒鳴りませんでした。
そして、しばらく棚を見回したあと、値引きシールが貼られた唐揚げのパックに目を留めました。
「……こっちは安くなってるんやな?」
「はい。そちらはシールに記載された金額でお買い求めいただけます」
男性は焼き鳥を元の棚に戻すと、唐揚げをかごに入れました。
そして何も言わず、レジのほうへ歩いていったのです。
店長さんは店員さんに「大丈夫ですか?」と声をかけました。
店員さんが小さくうなずくと、店長さんは「では、お願いしますね」と伝え、売り場を離れました。
その後、店員さんはいつものようにシールを貼る作業に戻りました。
私のかごに入っていた唐揚げにも、無事に値引きシールが貼られました。
その夜、夕飯を食べながら夫にこの話をしました。
「店員さんに2回も怒鳴ってたのに、最後は自分で安くなってる唐揚げを選んでたんだよ」
「ええ……それなら最初からそうすればよかったのにね」
夫の言葉に、私も思わずうなずきました。
値引きしてほしい気持ちは分かります。でも、希望どおりにならないからといって、店員さんを怒鳴っていいわけではありません。
最後まで冷静に対応し、無理な要求には応じなかった店長さんの姿が印象に残った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














