「動画の音を消してもらえませんか」電車で注意を聞き入れなかった女性。だが、隣にいた私が勇気を出してお願いすると
2度お願いしても、音を下げなかった女性
平日の昼間、私は家族の用事を済ませ、電車で帰宅するところでした。
車内は空いていて、座席にも余裕があります。
40代の私は長いシートの端に腰を下ろし、ひと息ついていました。
すると、隣に座っていた女性が携帯電話で話し始めました。
その声が、かなり大きかったのです。
静かな車内に話し声が響き、通話はなかなか終わりません。
ようやく電話を切ったかと思うと、今度は画面を横にして動画を流し始めました。
効果音や笑い声が次々と聞こえてきます。
音量は先ほどの話し声と変わらないほどでした。
私も気になっていましたが、隣の人に直接注意するのは気が引けて、黙っていました。
しばらくすると、向かいの席に座っていた人が身を乗り出し、女性に声をかけました。
「すみません。音を少し小さくしてもらえますか」
ところが、女性は動画から顔を上げると、面倒そうに答えました。
「そんなに気になるなら、車両変わればいいでしょう」
声をかけた人は少し戸惑った様子でしたが、もう一度お願いしました。
「すみません、少しだけでいいので…」
「だから、車両変わればいいじゃないですか」
女性はそう言うと、再び画面に目を戻しました。
お願いした人はそれ以上何も言わず、立ち上がって車両の奥の席へ移っていきました。
私はその姿を見ながら、何も言えなかったことが情けなくなりました。
隣にいた私が、勇気を出して伝えたこと
向かいの人が席を移っても、動画の音は変わりませんでした。
さっきの人は、決して無理なことをお願いしたわけではありません。それなのに、お願いした側が席を移ることになってしまったのです。
私自身もずっと音が気になっていました。ここで黙っていたら、きっと後悔すると思いました。
少し迷いましたが、思い切って隣の女性に声をかけました。
「あの、ちょっといいですか」
女性がこちらを向きます。
私は緊張しながらも、できるだけ穏やかに伝えました。
「さっきの方と同じお願いなんですけど……私も音が気になっていて。動画の音を消してもらえませんか」
女性は一瞬、私の顔を見つめました。
斜め向かいに座っていた年配の男性も、こちらを見て静かにうなずいていました。
「しつこいな……はい」
女性は返事をすると、画面を何度か操作しました。
それまで響いていた動画の音が、ぴたりと止まりました。
急に静かになった車内では、電車の走る音がいつもより大きく聞こえるほどでした。
次の駅に着くころ、奥の席へ移っていた人が降りる支度をしながら、こちらを振り向きました。
目が合うと、その人は胸の前で手をそろえ、小さく頭を下げてくれました。
向かいの年配の男性も、小さな声で言いました。
「静かになりましたね」
「そうですね」
私はほっとして、笑顔でうなずきました。
隣の女性は、その後も音を出さずに動画を見ていました。
声をかけるのは少し怖かったですが、思い切って伝えてよかったと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














