「融通が利かないやつだ!」家電量販店で交換を迫る客。だが、店員が会員カードを調べた結果、態度が一変
レジの前から動かない男性客
半年ほど前の昼どき、私は家電量販店で台所の小物を見ていました。
少し離れたレジには数人の客が並んでいたのですが、その先頭にいた70代くらいの男性客が、カウンターに小さな家電をどんと置きました。
「これ、急に電源が入らなくなったんだよ。ここで買ったんだから、新しいのと替えてくれ」
対応していたのは、20代くらいの若い男性店員です。
店員さんは商品を受け取り、落ち着いた声で尋ねました。
「レシートか保証書はお持ちですか?」
「そんなの取ってないよ。何か月も前に買ったんだぞ」
「そうでしたか。ただ、ご購入の確認ができないと、すぐに交換はできないんです」
すると男性客は、カウンターを手のひらでたたきました。
「融通が利かないやつだ!」
突然の大声に、私は思わずそちらを振り返りました。
男性客は「ここで買ったんだ」の一点張りです。
店員さんが説明しようとしても、途中で言葉を遮ってしまいます。
そのやり取りはなかなか終わらず、気づけば10分近く経っていました。
後ろに並んでいた客たちも少し距離を取り、困った様子で見守っています。
私もどうなるのか気になり、つい様子を見ていました。
会員カードを確認した結果
やがて男性客の言葉が途切れたところで、店員さんが改めて声をかけました。
「あの、お客様。会員カードはお持ちですか?」
「ああ、持ってるけど。それがどうした?」
「カードの購入履歴を確認できるかもしれません」
「なんだよ、それなら早く言ってくれよ」
男性客は財布から会員カードを取り出し、店員さんに差し出しました。
これで交換してもらえると思ったのか、少し得意げな表情を浮かべています。
店員さんはカードを受け取り、レジの画面を確認しました。
しばらくして、カードを返しながら口を開きます。
「お調べしたんですが、こちらのカードでは、この商品の購入履歴が確認できませんでした」
その瞬間、男性客の表情が固まりました。
何か言おうと口を開きかけたものの、言葉が出てきません。
手元のカードと店員さんの顔を交互に見ています。
「別のお店で購入された可能性もあります。保証書が見つかれば、メーカーの修理窓口をご案内することもできますが……」
店員さんがそう伝えると、男性客は何も答えませんでした。
会員カードを財布にしまい、家電を抱えると、うつむきながら足早にレジを離れていったのです。
店員さんは待っていた客たちに向き直り、頭を下げました。
「大変お待たせしました。次の方、どうぞ」
すると、次に並んでいた年配の女性客が、小さくうなずいて商品を置きました。
購入履歴が見つからなかっただけなので、実際にどこで買ったのかは分かりません。
それでも、あれほど強い口調だった男性客が急に黙り込んだことには驚きました。最後まで声を荒らげずに対応していた店員さんの姿も、印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














