「実は結婚してるけど、嫁とは上手くいってないんだ」マッチングアプリで嘘をついていた男。だが、私が反論した結果
スマホばかり気にする相手に募った違和感
マッチングアプリで知り合った男性と、何度かメッセージをやりとりしました。
物腰が柔らかく、感じのよさそうな人。
「仕事が忙しくて休みがほとんどない」と聞かされていたので、せっかく時間を作ってくれたのなら、と食事の約束を受けたのです。
けれど店に入って向かい合った瞬間から、何かがずれていました。
私の話を聞きながら、彼の視線は手元のスマホを行き来します。
料理が運ばれる前にも一度席を立ち、戻ってきても画面を覗く回数は減りません。
会話のテンポは悪くないのに、相手の集中だけがどこか別のところに漏れている感覚です。
「すみません、ちょっと連絡が立て込んでて」
言葉だけは丁寧でしたが、目はずっと別のどこかを向いていました。
「忙しい」と聞いていたから、最初は仕事の連絡だと自分に言い聞かせていたのです。
けれど、食事の途中で何度も席を外す姿は、仕事の連絡というには不自然すぎました。
こちらが質問しても、返答が短く、また視線がスマホへ落ちる。
一度や二度なら気にしないところですが、それが何度も続けば、さすがに胸の中で何かが冷えてきます。
店を出るまでの数分間
違和感の正体は、デザートのタイミングで本人の口から明かされました。
彼は軽い調子で打ち明けてきたのです。
「実は結婚してるけど、嫁とは上手くいってないんだ」
詫びる素振りはなく、言い訳のように言葉を重ねていきます。
最初に言われていれば席に着くこともなかった話を、デザートの皿の前で平然と差し出されたのです。
プロフィールには独身と書かれていたのを思い出し、嘘をついてまで会いに来た事実だけが頭に残りました。
冷めていく感情のなかで、一つだけ言葉が浮かびました。
「それって、最初に言うべきじゃないですか?」
声を張らず、表情も崩さず、まっすぐに相手の目を見てそう告げました。
続けて、お互いの時間を分かち合えるとは思えないからもう帰ります、と伝えました。
相手は途端に慌てた様子で、椅子に手をかけたまま「ちょっと待って」と言葉を重ねてきます。
店内で立ち上がりかけ、私の腕に手を伸ばしかけて、また下ろす。
周りの席にも気を配って小声で食い下がる姿が、かえって滑稽でした。
けれどもう、聞く気持ちは残っていませんでした。
会計を済ませ、引き止めるような声を背に受けながら、私はそのまま店の扉を押しました。
外に出た瞬間に夜の空気が肺に流れ込み、むしろ気持ちが軽くなったのを覚えています。
怒りも泣きもしませんでした。ただ、自分の時間を一秒でも早く取り返したという満足感だけが残りました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














