「また肌のお手入れタダでやってよ」結婚式前に図々しくお願いする義妹。だが、結婚後の態度に絶句
座ったまま待つ人
義実家の集まりは、いつも義妹を中心に回っていた。彼女は座ったまま、周りが動くのを待っている。
「お皿、誰か取ってくれない?」
「お茶、ぬるくなっちゃった」
誰かがさっと動くと、義妹は満足そうにうなずく。その様子に、私は前々から引っかかっていた。
「みんな何かしてくれるのが当たり前」
「身内なんだから、それくらい普通でしょ?」
悪気のない顔で、義妹はそう口にした。育った家でそうだったのだろう。けれど、私はあることを思い出さずにいられなかった。
8回コースの代金
美容関係の仕事をしている私は、義妹の結婚式の前、自社で施術をまるごとプレゼントしていた。
人気で予約の空きが少なく、彼女の枠をねじ込むのに何度も調整が要った。
自分の休憩を削り、他のお客さまの予約をやりくりして、ようやく8回分の時間を確保したのだ。コース代も、化粧品の一式も、全部私の持ち出しだった。
挙式当日、整った肌で笑う義妹は、確かにきれいだった。それでも返ってきたお礼は、その日の「ありがとう」の一言きり。
あとは何事もなかったかのように、日常へ戻っていった。
その日の集まりでも、義妹は軽い調子でこう言った。
「お姉さん、また肌のお手入れタダでやってよ。会社のだし、減るものじゃないでしょ」
私はゆっくりと顔を上げ、目を合わせて答えた。
「あれはお祝いで、私が全部お金を出したの。仕事だから、本当はタダじゃないのよ」
義妹の表情が固まる。言い返そうと口を開きかけて、結局なにも言えずに閉じた。
義母の一言
静まった場に、義母の声が落ちた。
「待って。式の前のあれ、全部お姉さんが払ってくれてたの?」
「……うん」
「お休みまで削って、予約も無理に空けてくれたって聞いたわよ。それをタダだと思って、お礼もろくにしてなかったの?あなた」
義妹はうつむき、膝の上で手を握りしめた。周りの親族も口をつぐみ、誰ひとり義妹の側に立たない。いつも彼女のために動いていた人たちが、今日は黙って見ているだけだった。
「ごめんなさい。本当に、知らなくて」
絞り出すような謝罪に、私は短く返した。
「分かってくれたなら、もういいの」
その日から、義妹は変わった。集まりでは自分から皿を運び、お茶を注いで回る。「タダでやって」とねだることも、二度となくなった。何でもしてもらって当然という顔をしていた人が、すっかり小さくなって見える。言うべきことを言って、よかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














