「あなたの子、ピアノも成績も平凡ね」と息子を馬鹿にする義姉。だが、息子が大学への合格をつかみ取った瞬間
十年続いたマウント
夫の姉とは、子どもが小さい頃から、ずっと折り合いが悪かった。原因はいつも、子どもの比較だ。
「あなたの子、ピアノも成績も平凡ね」
親戚で集まるたび、義姉はそう言って私を見下した。義姉の娘は確かに優秀で、卒業式や合唱コンクールでは学年代表でピアノを披露するような子だった。
義母にとっても、自慢の孫だ。
「うちの子は手がかからなくて。そちらは大変ね」
その笑顔の前で、私はいつも黙るしかなかった。
塾選びへの嫌味
息子が中学に入り、私が塾を探し始めた頃のことだ。義姉は、すかさず口を出してきた。
「うちの娘は塾なしで合格したわ」
お金をかけて塾に通わせるなんて、と言いたげな口ぶりだった。
「うちはこの子のペースで、合う場所を探しているんです」
「ふうん。まあ、できる子は何もしなくてもできるものよ」
言い返したい気持ちを、私はぐっと飲み込んだ。何より息子の前で、姉妹喧嘩のような言い争いはしたくなかった。傷つくのは、いつだって子どもだから。
逆転の春
それから数年。息子は、希望よりランクの下がる高校へ進んだ。
けれど、そこで腐らなかった。地道に努力を続け、高校三年の春、指定校推薦で中堅大学への合格をつかみ取った。
「お母さん、僕やったよ」
息子の弾んだ声に、私の胸も熱くなった。対照的だったのが、姪の進路だ。
高校でアルバイトと恋愛に明け暮れた彼女は、第一志望の指定校推薦を逃し、別の大学へ進んだという。
その春の親戚の集まりで、私は身構えていた。また何か言われるに違いないと。ところが義姉は、終始口数が少なかった。
「息子さん、大学決まったのね……」
かろうじて出たのは、それだけ。すると義母が、誇らしげに割って入った。
「あの子、本当によく頑張ったのよ」
義姉の顔から、すっと表情が消えた。何か反論しようとして、言葉が続かない。やがて、目を伏せて黙り込んでしまった。
私は、勝ち誇る気にはなれなかった。代わりに、静かにこう返した。
「ありがとうございます。あの子なりに、精一杯やった結果です」
長年のマウントが、ぴたりと止んだ瞬間だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














