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2026.06.24(Wed)

「古い雑誌、捨てとくわね」部屋にある私物を勝手に片付ける義母。だが、私の一言で態度が一変

「古い雑誌、捨てとくわね」部屋にある私物を勝手に片付ける義母。だが、私の一言で態度が一変

本棚の前で止まった手

二人目の出産から数日。家事を手伝いに来てくれた義母が、私の部屋の本棚の前で動きを止めた。育休中とはいえ、私は保育士だ。その本棚には仕事の本が並んでいる。

断捨離好きの義母は、来てからずっと家の物を減らしていた。鍋も、子ども服も、私が止める間もなく袋に消えていく。

「古い雑誌、捨てとくわね」

10年前の保育雑誌の束を手に取り、義母はあっさりそう言った。私が新人の頃から集めてきた、現場で今も開く大切な資料だった。

「待ってください」

布団から起き上がり、私は部屋へ向かった。

穏やかに引いた一本の線

「お義母さん、それは仕事で使う資料なんです」

雑誌を抱えた義母の手を、まっすぐ見て言った。声を荒げるつもりはない。でも、ここだけは譲れなかった。新人の頃から少しずつ買いそろえ、現場で困るたびに開いてきた一冊一冊だ。古びていても、私にとっては現役の道具だった。

「私の物に触らないでください」

言いきってから、もう一度ゆっくり付け足した。勝手に処分されるのだけは、どうしても受け入れられなかった。

義母の表情がふっと固まった。雑誌を持つ手が宙で止まり、それから気まずそうに本棚へ戻される。

「……あらやだ、よかれと思っただけよ」

言葉尻は強がっていたけれど、目はもう合わなかった。義母はそそくさと雑誌を棚に戻し、部屋を出ていく。

「お茶でも、いれましょうか」

そうつけ足す声が、いつもより小さかった。台所に戻った義母は、それからもう私の部屋には近づかなかった。

夜、帰宅した夫に話すと、ほっとした顔をした。母も悪気はなくて、ただ片づけが止められないのだと夫は言う。

「母さんに言える人、なかなかいないよ。よく言った」

そう言われて、強ばっていた肩からふっと力が抜けた。我慢して飲み込んでいたら、明日にはこの本も袋の中だったはずだ。

翌日帰っていく義母は、玄関で「本、大事にね」とだけ言った。手伝いに来ていたはずの人が、私の顔色をうかがっている。その変わりように、少し笑ってしまった。

守れた本棚を見上げて、私は深く息を吐いた。線を引くって、こういうことなんだと思った。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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