「母親のしつけが悪いからノロマなのよ」と子供に強くあたる義母。だが、普段はおとなしい夫が怒ってくれた瞬間
褒められるのはいつも義姉の子
義母は、内孫の我が子と、義姉が産んだ外孫を、何かにつけて比べる人でした。そして決まって持ち上げられるのは、義姉の子のほうでした。
お正月に親族で集まった食卓でも、それは変わりませんでした。義母は義姉の子の頭をなでながら、嬉しそうに繰り返します。
「お行儀が良いわね」
その隣で、まだ食事のペースがゆっくりな我が子には、冷たい視線を向けるのです。
こんなんじゃ将来が思いやられる、と聞こえよがしに口にしました。
「母親のしつけが悪いからノロマなのよ」
私に聞こえるように言っているのは明らかでした。それでも私は、その場の空気を壊したくなくて、唇を噛んで黙っていました。
我が子は箸を握ったまま、すっかり食べる手を止めてしまっていました。
こうして比べられるのは、今年が初めてではありません。集まりのたびに我が子だけが小さくさせられていく姿を、毎回ただ見ているしかありませんでした。
夫が箸を置いて立ち上がった
そのときでした。ずっと隣で黙々と食べていた夫が、静かに箸を置いたのです。
「母さん、いいかげんにしてくれ」
義母を相手に、いつもなら何も言わない夫でした。その声に、食卓の全員がはっとして顔を上げました。
「自分の孫をつかまえてノロマだなんて、よく言えたもんだな」
義母は鼻白んだ顔になり、それでも取り繕おうとしました。
「ちょっとした冗談じゃないの」
「その冗談で、この子がどんな顔してたか見てなかったのか。もうここには来ない」
義母は二の句が継げず、口をぱくぱくさせるだけでした。助けを求めるように周りを見渡しても、義姉はばつが悪そうにうつむき、義父までもが黙って首を横に振るばかり。
誰一人、義母の肩を持つ人はいませんでした。
夫は子どもの上着を着せ、私の荷物を手早くまとめると、玄関へと促しました。
「行こう。もう気を遣わなくていいから」
振り返ると、義母が呆然と座り込んでいるのが見えました。
これまで一方的に見下されてきた立場が、その瞬間にひっくり返ったのを感じました。
家に帰る道すがら、夫はぽつりと言いました。長い間、私が一人で耐えていたことに、本当は気づいていたのだと。
声をあげるきっかけを、ずっと探していたのだそうです。後部座席では、我が子がいつの間にか安心したように眠っていました。
それからは夫が義実家との縁を切ってくれて、私たちは穏やかな毎日を取り戻しました。比べられることも、見下されることもない正月が、ようやく訪れたのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














