「連絡なんていらないでしょ」毎日アポなしで産後の病室に来る義母。だが、夫が病院に頼んだ一言で形勢が一変
毎日、前触れもなく開く病室のドア
退院までの一週間、私の個室のドアは毎日、何の前触れもなく開いた。開けるのはいつも義母だ。計画出産で入院日も伝え、生まれたら連絡すると約束していたのに、その約束は最初から無いもののように扱われた。
入院初日には、これから私が寝るベッドに腰を下ろし、部屋を出ようとしなかった。分娩台へ向かう廊下の端にも、その姿があった。
授乳の支度を始めるたび、今ドアが開いたらと身構える。差し入れも私の分だけない日が続き、悪意すら疑った。連絡してから来てほしいと夫がやんわり伝えても、義母はこう返すだけだった。
「連絡なんていらないでしょ」
夫が病院に頼んだこと
ある夜、青い顔でベッドに沈む私を見て、夫の表情が変わった。これは付き合いやすいとか気を遣うとかの話ではない、と気づいたようだった。
翌朝、夫はナースステーションへ行き、看護師さんに頭を下げて頼んだ。
「産後で本人の体調が最優先なんです。面会は連絡があった時だけ通してください」
病院側は、もともとそうした取り決めができますと請け合ってくれた。産後すぐの母体は思っている以上に消耗していて、面会の制限はめずらしいことではないのだと、看護師さんは丁寧に説明してくれた。その言葉に、夫は何度もうなずいていた。
夫はそのまま義母にも電話を入れ、勝手に病室へ入らないこと、来るなら必ず事前に連絡することを、今度ははっきりとした口調で伝えた。受話器の向こうの義母は、しばらく黙っていたという。電話を切った夫は、私のほうを向いて「もう大丈夫だから、ゆっくり休んで」とだけ言った。
形勢が一変した翌朝
翌朝、いつものように連絡もなく現れた義母を、廊下で看護師さんが丁寧に止めた。事前のお約束をいただいた方のみご案内しています、と。義母は「私はいいのよ」と言いかけたが、後ろから来た夫の顔を見て、言葉を途中で止めた。
夫は静かに繰り返した。「連絡してからって、ちゃんと言ったよね」。義母は口を開きかけ、何も言えずに視線をそらし、結局そのまま帰っていった。翌日も、その翌日も、アポなしの来訪は二度となかった。
退院の日に迎えに来た義母は、以前の押しの強さが嘘のように小さくなっていた。私と目が合うと、気まずそうに目を伏せる。あれほど踏み込んできた人が、こちらの様子をうかがうようになっていた。
「これからは、連絡してからにしてくださいね」
私は丁寧に、でもはっきりとそう告げた。今は極力距離を取り、付け届けは宅配で送るだけにしている。夫が引いてくれた線のおかげで、産後の時間をようやく自分のものとして取り戻せた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














