「娘ちゃん、これでなんか好きなもの買いな」と3000円渡してきた義姉。だが、貰ったお金に感じた違和感とは
財布から抜いた三千円
連休に夫の実家へ行ったときのことです。帰り支度を始めた私の前で、義姉が財布から三千円を抜き出しました。
「これ娘ちゃんに」
笑顔もなく、夫の手に握らせるように渡してきます。うちの娘へのお小遣いのつもりだったようでした。
でもそれは、私がこの日持参した子ども向けのお菓子への、現金でのお返しでした。
小学生の姪と五歳の甥、それにうちの娘の分を、一つずつ違うリボンでラッピングして用意したものです。喜ぶ顔が見たくて、前の晩に選んだお菓子でした。
「娘ちゃん、これでなんか好きなもの買いな」
義姉はそう言い添えると、もう私のほうは見ていませんでした。
三千円という金額の正確さが、かえって胸に引っかかります。
夫「姉ちゃんはせっかちだから。帰りまで待つと忘れちゃうんだよ」
夫はそうかばいましたが、私のもやもやは消えませんでした。子どもへの贈り物が、その場で精算すべき代金のように扱われた気がしたのです。
即返ってきたギフト
思い返せば、その日の義姉はずっとスマホしか見ていませんでした。子どもたちがお菓子に喜んでいる間も、顔を上げません。
義姉「ありがとー」
返ってきたのは、棒読みのひと言だけ。そして驚いたのは、同じリビングにいるのに、数分後に私のスマホへメッセージアプリの電子ギフトが届いたことです。
(目の前にいるのに、どうしてわざわざ送るの)
そこでようやく腑に落ちました。義姉は冷たいわけではなく、人に借りを作るのが極端に苦手な人なのです。
だからその場で即ギフトを返し、帰り際には現金まで握らせる。誰とも貸し借りを残さない、彼女なりの流儀でした。
線を引いたら楽になった
わかってしまえば、気持ちは軽くなりました。喜んでほしくて続けた気遣いが、相手には精算すべき借金になるのなら、続ける意味はありません。
私は義姉一家への手土産を、静かにやめました。
子どもへのプレゼントは身内だけの場で渡すことにし、義実家を訪ねる時間も義姉一家とずらしたのです。
「今日はお菓子、ないの?」
次の集まりで、義姉が初めてスマホから顔を上げました。返すものがないからか、ギフトを送る指も止まっています。
「気を使わせてしまうので、やめました」
私が落ち着いて答えると、義姉は何か言いかけ、そのまま黙り込みました。そばにいた義母も、静かにうなずいています。
無理に合わせようとするのをやめたら、振り回されることもなくなりました。線を引くだけで、こんなに楽になるのですね。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














