「塾に月3万かけてるの」と教育マウントをとるママ友。だが、担任との個人面談で状況が一変
教育費のマウント
息子のクラスに、同じ学年のママ友がいた。
彼女は会うたびに、決まって家計の話を持ち出してくる。
「塾に月3万かけてるの」
「志望校のために、もう一個増やそうか迷ってて」
そう言いながら、ちらりと私の反応をうかがう。
返事に困って黙ると、満足そうに次の自慢を重ねてくる。その繰り返しだった。
うちは、まだ塾に通わせていなかった。
息子が「今は自分でやってみたい」と言うので、その意志を尊重していたのだ。けれど彼女には、それが理解できないらしい。
子どもの頑張りより、かけた金額のほうが大事なのだと言わんばかりだった。
「まだ通わせてないの?正直、のんびりしすぎだと思う」
他のママもいる前で、はっきりそう言われた。私は反論もできず、ただ口の中で言葉を濁すしかなかった。
担任からの評価
学期末、個人面談の日がやってきた。順番を待つ間、私は何を言われるのだろうと、少し緊張していた。
呼ばれて席につくと、担任の先生はにこやかに資料を広げた。
「息子さん、本当にいい子で」
「努力家ですね」
開口一番のその言葉に、私は思わず姿勢を正した。
「授業態度がとても良くて、分からないことは自分で調べて、最後までやり切るんです。こういう子は、塾に頼らなくても自分で伸びていきますよ」
「家でも、言われなくても机に向かう子で」
「それが一番の財産です。お母さん、いい育て方をされていますね」
胸の奥に、じんわりと温かいものが広がった。比べられ続けて削れていた気持ちが、その一言で報われた気がした。
頷く周囲、黙る彼女
教室を出ると、廊下で次のママたちが待っていた。半開きのドアから、先生の声が漏れ聞こえていたようだ。
「努力家だって、先生が言ってたね」と、一人がにこやかに言う。
「うちの子にも見習わせたいわ」と、もう一人が頷いた。
周りのママたちが、口々に感心の声を上げる。その輪の端で、いつものママ友が立ち尽くしていた。
あれほど数字を並べて自慢していた彼女が、今は一言も発しない。何か言いかけて、やめて、また視線を落とす。お金の話で塗り固めた余裕は、先生の一言と周囲の頷きの前で、すっかり色を失っていた。
「……すごいね」
かろうじて出たのは、それだけだった。彼女は気まずそうに鞄を持ち直し、誰とも目を合わせずに教室へ入っていった。
次の日から、彼女が私に塾の話をしてくることはなくなった。すれ違っても、軽く会釈を交わすだけの間柄になった。子どもの価値は、かけたお金の額では決まらない。そう静かに教えてくれたのは、ほかでもない息子の毎日の積み重ねだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














