【W杯決勝進出】スペイン代表が試合前に国歌を歌わないのは当然だった!?実は『公式の歌詞』が存在しない、世界でも珍しい国歌
口を閉じているのではなく、そもそも歌う言葉がない
サッカーの国際試合では、試合前に両チームの国歌が演奏されます。
選手たちが肩を組み、声をそろえて歌う姿も見慣れた光景です。
しかし、スペイン代表の選手たちは国歌の演奏中に歌いません。
愛国心がないわけでも、試合に集中して口を閉じているわけでもなく、スペイン国歌には公式の歌詞そのものが存在しないのです。
スペイン政府も「歌詞はなく、音楽のみ」と明記
スペイン国歌は、一般に「国王行進曲」を意味する「Marcha Real(マルチャ・レアル)」と呼ばれています。
「擲弾兵行進曲」を意味する「Marcha Granadera(マルチャ・グラナデーラ)」の名称でも知られる曲です。
スペイン政府は公式サイトで、国歌について「歌詞はなく、音楽のみ」と説明しています。
そのため、スペイン代表の選手たちは国歌が流れても歌う言葉がなく、演奏を静かに聞く形になるのです。
国歌を定めるスペインの王令にも、楽譜や調、テンポ、演奏時間は記載されていますが、歌詞は定められていません。
完全版は52秒、短縮版は27秒とされています。
公式歌詞のない国歌は世界でもごく少数
多くの国では、国歌に国の歴史や自然、自由、団結などを表す歌詞があります。
公式の歌詞を持たず、演奏だけで成立するスペイン国歌は、世界的に見ても珍しい存在です。
ギネス世界記録は「Marcha Real」を、公式歌詞のない国歌として最も古いものと認定しています。
原曲は1761年に出版された軍隊の行進曲までさかのぼり、1770年には国王カルロス3世によって公式行進曲に定められました。
歌詞をつけようとする試みは過去に何度か行われましたが、正式な歌詞として承認されたものはありません。
現在も、スペイン国歌は旋律だけで演奏されています。
過去には歌詞をつける計画が中止されたことも
スペイン国歌には、王政時代や独裁政権下などに非公式の歌詞がつけられたことがあります。
しかし、政治的な背景を持つ内容もあり、現在の公式歌詞としては採用されていません。
2007年には、スペインオリンピック委員会が国歌の歌詞を公募し、選ばれた案を発表しました。
しかし、十分な支持を得られず、2008年1月に正式な採用へ向けた計画が撤回されました。
さまざまな言語や地域文化を持つスペインでは、国全体が納得する歌詞を作る難しさもあるといわれます。
歌詞を持たない旋律だからこそ、立場の違いを超えて国を象徴しているとも考えられそうです。
まとめ
スペイン代表が試合前に国歌を歌わないのは、公式の歌詞が存在しないためです。
W杯で国歌が流れたときは、選手たちの静かな姿と、世界でも珍しい「歌わない国歌」に注目してみてはいかがでしょうか。
参考
・スペイン政府「Constitution|Spanish National Anthem」
・スペイン官報「Real Decreto 1560/1997, de 10 de octubre, por el que se regula el Himno Nacional」
・Guinness World Records「Oldest wordless national anthem」














