「勝手に座るな」運動会で空席に座った保護者を怒鳴った親。だが、先生が伝えた事実とは
演技中だけ使える児童用の椅子
去年、子どもの小学校で行われた運動会でのことです。私は保護者席の後ろのほうから、子どもたちの出番を待っていました。
その学校では、事前に保護者向けのお知らせが配られていました。
演技などで児童が席を離れている時間に限り、空いている児童用の椅子を保護者が観覧用に使ってよい、という内容です。
三年生の演技が近づき、子どもたちが入場門へ移動すると、何人かの保護者が空いた椅子に座り始めました。
そのとき、突然近くから大きな声が聞こえました。
「勝手に座るな」
振り向くと、一人の保護者が、自分の子どもが使っていたらしい椅子に座った別の親に声を上げていました。
「そこ、うちの子の席なんですけど」
座っていた人は驚いた様子で立ち上がりかけました。
「でも、お知らせには、演技中は空いている席を使っていいと書いてあったので……」
すると相手は納得できない様子で、「でも、子どもが戻ってくる席でしょう」と返します。
どうやら、自分の子どもの椅子までほかの保護者が使うとは思っていなかったようでした。
先生が二人の間に入った
すでに三年生は入場門の前に並んでいました。やり取りに気づいた周囲の保護者からも視線が集まり、座っていた人は困ったように立ち尽くしています。
そこへ、近くにいた先生が小走りでやってきました。
「どうされましたか」
事情を聞くと、先生は二人の間に入り、落ち着いた声で説明しました。
「今回のお知らせでは、児童が演技で席を離れている間は、空いている椅子を保護者の方にも使っていただけることになっています」
そして、座っていた保護者にも「そのままお使いいただいて大丈夫ですよ」と声をかけました。
怒っていた保護者は少し黙ったあと、配布されたお知らせの内容を思い出したのか、「…そういうことでしたか」と小さく答えました。
先生はさらに、子どもたちが席へ戻る前には保護者へ案内するので、そのときに席を空けてもらうことも説明していました。
それを聞くと、その保護者もそれ以上は何も言わず、少し離れた場所へ移動していきました。
ほどなくして三年生の演技が始まり、さっきまでの緊張した空気も少しずつ薄れていきました。
学校側が事前に決めたルールでも、受け取り方が違えば思わぬ行き違いが起きるものです。大きな声で責める前に確認すること、そしてその場で冷静に説明することの大切さを感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














