「勝手に注意しないでよ。よその子でしょう」ブランコの順番をめぐって反発した父親。だが、周りの保護者が伝えたのは
ブランコの前で起きたこと
よく晴れた休日、私は家の近くの公園を散歩していました。
遊具のある広場に差しかかると、ブランコの前には数人の子どもたちが列を作っています。
休日ということもあり、近くには子どもを見守る保護者の姿もありました。
その少し離れたベンチでは、ひとりの父親がスマホを見ています。そばでは、四歳くらいの男の子が砂を蹴ったり、遊具のまわりを歩いたりしていました。
しばらくすると、その男の子がブランコへ向かいました。
ただ、並んでいる子どもたちの後ろには行かず、そのまま空きそうになったブランコへ近づいていきます。
ちょうど先頭で待っていた女の子も乗ろうとしたため、二人の体がぶつかりそうになり、女の子が慌てて一歩下がりました。
「ぼく、ちゃんと後ろに並ぼうか」
近くで様子を見ていた年配の女性が、男の子に穏やかに声をかけました。
ところが、知らない大人に声をかけられたことに驚いたのか、男の子はその場で泣き始めてしまいました。
その声に気づき、ベンチにいた父親がようやく立ち上がります。
「勝手に注意しないでよ」
父親は男の子のところへ来ると、女性に向かって言いました。
「勝手に注意しないでよ。よその子でしょう」
突然そう言われた女性は、少し困ったように黙ってしまいます。
すると、先ほど女の子のそばにいた母親が声をかけました。
「すみません。うちの子もずっと順番を待っていたので…」
責めるような口調ではありませんでした。
近くにいた別の保護者も、「みんな後ろに並んで待っていますよ」と静かに続けます。
父親は何か言いかけましたが、ブランコの前を見ると、ほかの子どもたちが一列になって順番を待っていました。
しばらく黙ったあと、男の子の肩に手を添えます。
「ほら、後ろに並ぶぞ」
男の子はまだ少し涙を浮かべていましたが、父親と一緒に列の最後尾へ向かいました。
去り際、父親は先ほど声をかけた女性のほうへ一度だけ小さく頭を下げました。
大きな言い争いになったわけでも、誰かが父親を言い負かしたわけでもありません。
ただ、その場にいた大人たちが「ここでは順番に使っている」と伝えたことで、ブランコの前にはいつもの光景が戻っていきました。
子ども同士だからこそ、大人が少し目を配ることの大切さを感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














