「やっぱり駄目だよな」持ち帰る客を見て黙っていた私。だが、次に店へ行くと変わっていたこと
フルーツを袋に入れていた人
休みの日によく行く、料理を好きなだけ取れる店があります。
時間の制限がなく、食事のあともゆっくりできるので、私は本を持って一人で過ごすことがありました。
窓際の席からは料理の台がよく見えます。ある日、デザートのフルーツを取りに立ったとき、台の前で一人の客が袋を広げているのが目に入りました。
その人は皿に取るのではなく、フルーツを袋へ入れていました。
私は思わず足を止めました。
食べ放題とはいっても、店内で食べる料理を持ち帰るのはさすがに違うだろうと思ったのです。
後ろから来た客も、その様子を見ると少し離れたところで待っていました。
けれど、私も客の一人です。知らない相手に直接注意して揉めるのも嫌で、結局何も言えませんでした。
そのとき店員が気づいていたのかどうかは分かりません。
席へ戻ってからも、あれはよかったのだろうかではなく、「やっぱり駄目だよな」と少し引っかかっていました。
次に行くと、白い札が置かれていた
何週間かして、また同じ店へ行きました。
フルーツを取りに行くと、台の真ん中に以前はなかった小さな白い札が置かれていました。
「フルーツは1皿ずつ、お持ち帰りはご遠慮ください」
その下には、おかわりは何度でもできることも書かれています。
私はそれを見て、店側も持ち帰りを認めていたわけではなかったのだと分かりました。
誰かを名指しして注意するのではなく、利用する人全員に同じルールを示す形にしたようでした。
その日、以前フルーツを袋に入れていた客も店に来ていました。
台の前まで来ると、その人はいつものようにフルーツへ手を伸ばしかけましたが、白い札に気づいて動きを止めました。
その人は重ねてある皿を一枚取り、フルーツを載せて席へ戻っていきました。
誰かを叱らなくても伝わること
私は、そのやり取りを少し離れたところから見ていました。
前に見かけたときは、「誰かが注意したほうがいいのでは」と思いながらも、自分からは何も言えませんでした。
けれど店側が短い札を一枚置いただけで、少なくとも何をしてはいけないのかははっきりしました。
その人がどういうつもりで持ち帰っていたのかは分かりません。
ただ、その日は札を読んで、決められたとおり皿を使っていました。
直接誰かを責めなくても、必要なルールを分かる形で示すことで変わることもあるのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














