「私が間違ってるって言いたいの?」広告で見た値段と違うと譲らない客。だが、店長が2枚の広告を見比べて分かった理由
説明するたび、同じ言葉が返ってきた
パートで働いていたスーパーで、夕方のレジに入っていたときのことです。
買い物かごが次々と運ばれ、後ろの列もなかなか途切れません。そんな中、一人の女性が会計途中の商品を見て、眉を寄せました。
「あれ?これ、広告に出てた値段と違わない?」
私は手を止め、その商品とレジ横に置いてあった今週の広告を確認しました。
似た商品は載っていましたが、写真も内容量も違います。
「こちらの商品ですよね。広告に載っているのは、別のサイズなんです」
広告を女性のほうへ向けると、女性は納得できない様子で見比べました。
「でも、ほとんど同じじゃない。売り場でも近くに置いてあったわよ」
「そうですね。見た目は似ているんですが、内容量が違うので、お値段も別になっているんです」
すると女性は少し語気を強めました。
「じゃあ何?私が間違ってるって言いたいの?」
「いえ、そういうことではなくて、広告に載っている商品とは別の商品なんです」
そう説明しても、女性は「でも広告で見たのよ」と言い、また同じ言葉に戻ります。
「私が間違ってるって言いたいの?」
言い方を変えて説明しても話はかみ合わず、結局、その言葉を五度繰り返されました。
気づけば後ろには五人並んでいます。私はこれ以上お待たせできないと思い、応援を呼ぶランプを押しました。
二枚の広告の日付を見比べると
ほどなくして店長が来ました。
「どうしました?」
私が事情を説明すると、店長は女性にも尋ねました。
「広告で、このお値段をご覧になったんですね」
「そうなの。確かにこのくらいの値段だったのよ」
店長は少し考えてから、「少々お待ちください」と事務所へ戻り、先週の広告を持ってきました。
そして今週の広告と並べ、まず右上の日付を確認しました。
「もしかすると、ご覧になったのはこちらかもしれません」
先週の広告には、女性が覚えていた価格の商品が載っていました。ただし内容量は三百グラム。女性が持ってきた商品は五百グラムです。
「こちらは先週の広告ですね。三百グラムの商品がこの価格になっています。今お持ちの五百グラムの商品は、今週の広告には載っていません」
女性は二枚の日付と商品写真を交互に見ました。
「……ああ、私、先週の広告を見てたのね」
さっきまでより、声が少し小さくなりました。
店長は責めることなく、「似た商品なので、分かりづらかったかもしれませんね」と返しました。
「そうね。じゃあ、この値段でいいわ」
女性はそのまま会計を済ませ、商品を持って帰っていきました。
列が再び動き始めたあと、店長が私のそばで小さな声をかけました。
「さっきの説明で合ってますよ。ちゃんと確認できていたから、大丈夫です」
その一言を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。
何度説明しても伝わらないと、自分の言い方が悪かったのかと不安になることがあります。それでも、感情的にならず、一つずつ確認することの大切さを感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














