「うちの子のほうが似合いそう」娘の服をけなしてお下がりをねだったママ友。だが、私が笑って受け流すのをやめた瞬間
「その服、どこで買ってるの?」
娘を幼稚園へ送った朝のことです。門の前は登園する親子で少し混み合い、私も娘と並んで順番を待っていました。
そこへ顔見知りのママ友が近づいてきました。娘の服を上から下まで眺めると、突然こう聞いてきたのです。
「その服、どこで買ってるの?」
「お店だったり、ネットだったり。いろいろですよ」
「ふうん。今日のそれ、新作だよね」
娘は照れたように私の後ろへ半歩下がりました。
その服は新作ではなく、去年、娘が売り場の鏡の前で自分で選んだものです。
今でもとても気に入って、よく着ていました。
すると、ママ友はもう一度服を見て、何気ない口調で言いました。
「でも、あんまり似合ってないかも」
娘にも聞こえる距離です。
そんなことを本人の前で言うなんて、と驚きましたが、私はとっさに笑って返しました。
「娘が気に入っているので…」
「いや、似合ってないと思うよ。うちの子のほうが似合いそう。ねえ、お下がりでくれない?」
娘が着ている服を、目の前で欲しがるとは思いませんでした。
私が返事に迷っていると、ママ友はさらに言葉を重ねます。
「ね、いいでしょ?私たち、友達でしょ」
同じお願いを二度もされ、私はもう笑って流す気にはなれませんでした。
娘の手を握りながら伝えたこと
娘は自分の服について話されていると分かっているようで、私の手をぎゅっと握り、下を向いていました。
私はママ友のほうに向き直りました。
「ごめんなさい。娘のお気に入りなので、あげられません」
ママ友の笑顔が止まりました。それでも、娘の前で言われたことは、そのままにしたくありません。
「それに、似合わないって、娘の前で言わないでほしいです。自分で選んで、大切に着ている服なので」
ママ友は何か言いかけましたが、すぐに肩をすくめました。
「えー、冗談だってば」
そう言って行事の持ち物の話に切り替えると、私たちより先に門をくぐっていきました。
私は握られたままの娘の手を見て、ちゃんと断れてよかったと思いました。
その夜、実家の母から電話がありました。
話しているうちに朝のことを思い出し、私が言葉に詰まると、母が尋ねました。
「どうしたの?園で何かあった?」
私は、娘の服を欲しがられたことや、「ママ友でしょ」と言われたこと、その場で断ったことを話しました。
母は少し黙ってから、「よく言ったね」とだけ返してくれました。
電話を切ると、隣の部屋で娘がその服をハンガーから外していました。
「明日もこれ着る」
娘はそう言って、服を椅子の背にかけました。その姿を見て、私は少しほっとしました。
翌日も、その次の週も、ママ友から服の話が出ることはありませんでした。今も会えば、これまでどおりあいさつを交わしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














