「うちの旦那、子育てなんて全然よ」と悪口ばかりのランチ会。だが、正論を言った瞬間、その場の空気が凍りついた
初めての保護者会の後で
夫の地元に移り住み、義母の顔が効く幼稚園に息子を入れた。初めての保護者会が終わると、まとめ役のママから声がかかった。
「ねえ、このあとランチでもどう?」
断る理由もなく、私はその誘いに乗った。新しい土地で、まだ知り合いも少なかったから。
けれど店に着くと、すぐに居心地の悪さを感じた。会話の中心はいつもそのママで、周りはひたすら相槌を打つ。家の広さや夫の年収を匂わせる話に、皆が「すごい」「さすが」と返していく。誰も逆らわない空気が、最初から出来上がっていた。
夫の悪口大会
食事が進むと、話題は夫への不満に移った。
「うちの旦那、子育てなんて全然よ」
ボスママがそう切り出すと、周りも次々に乗っかった。
「うちも家事なんてやらない」
「休みの日も寝てばっかり」
まるで競うように、夫のダメな部分を出し合っていく。そして時計回りに、順番が回ってきた。
「うちはこうなの、あなたのところは?」
正直、困った。私の夫は子供と遊び、送り迎えもこなし、家事も手伝ってくれる人で、ことさら不満を並べるようなことがなかった。
「うーん、特にないですね」
「またまた。こういうのあるでしょ、ほら、何かしらあるはずよ」
ボスママは食い下がり、私を無理やり愚痴の輪に引きずり込もうとしてきた。
直接言えば?
ここで心にもない不満を口にしたところで、何も解決しない。私は一呼吸おいて、こう返した。
「それ、ここで言っても解決しないから、旦那さんに直接言ったらどうですか?」
店の一角に、痛いほどの静寂が落ちた。その場にいた十人ほどが、いっせいに動きを止める。体感で、空気が二度ほど下がった気がした。隣の席のママが、気まずそうに目を伏せたのが見えた。
ボスママの顔から、笑みが消えていた。言い返す言葉を探すように口を開きかけて、結局、何も出てこない。
「……ほら、次のお店どうする?」
ごまかすように水を一口飲むと、彼女は無理やり別の話題を振って、その場を流そうとした。けれど、私を見る目はもう合わなかった。
翌週から、私にランチ会の声はかからなくなった。それでも、肩の荷が下りたようでほっとした。気疲れする集まりに無理して通わなくていいのだと思うと、むしろ晴れやかだった。
後日、買い物先で別のママに呼び止められた。
「この前、よくぞ言ってくれたって、ずっと思ってたんです」
同じ思いを飲み込んでいた人は、ちゃんといた。あの輪の外に出たことは、私にとって少しも損ではなかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














