「母さんが写真見たいって言うから、送ってもいい?」と聞く夫。だが、夫が送った写真を見て思わず絶句
送ってもいいかと聞かれて
結婚前から、夫とはよく二人で旅行に行っていた。写真は私がカメラで撮り、クラウドに保存して、二人だけで見返すのがいつもの習慣だった。
誰に見せるためでもない、私たちの記録のつもりだった。
結婚前の旅行から戻ってしばらく経った頃、夫が遠慮がちに尋ねてきた。
「母さんが写真見たいって言うから、送ってもいい?」
気が進まないのが本音だった。
それでも、義母なりに私たちを気にかけてくれているのだろうと考え直し、ほんの数枚ならと思って返事をした。
「1、2枚ならいいよ」
そのつもりで許したのに、夫が義母に送っていたのは厳選した数枚ではなかった。
その旅行で撮った全データを、一枚も残さずまるごと転送していたのだ。クラウドの共有履歴を見て、背中がひやりとした。
止まらない転送と夫の一言
夫婦二人きりの旅行写真を、義母が全部見ている。何気ない寝顔も、水着姿も、二人で笑い転げた瞬間も、ぜんぶ義母の手元にある。
そう知った瞬間の落ち着かなさは、言葉にしづらいものだった。嫌だと言えば波風が立つと思い、私はそのときは黙ってしまった。
けれど、それで終わりではなかった。新婚旅行も、結婚式の前撮りも、当日の写真も、撮るたびに夫がすべて義母へ送っていく。私はとうとう堪えきれず、口に出した。
「全部送らなくてもいいんじゃない?」
夫の返事は、私の予想とまるで違う方を向いていた。
「全部送れって言うんだから、送らないといけないだろ」
悪びれる様子もなくそう言われ、私は二の句が継げなかった。
問いただすと、夫は義母から告げられた言葉をそのまま口にした。
「写真は全部送って」
送るかどうかを決めているのは夫ではない。義母の指示がそのまま通っているのだと、その一言ではっきりした。
ずれたままの境界線
義母は、こちらの予定を残らず把握していないと落ち着かない人だった。意に沿わないことがあると激しく声を荒らげ、夫は母の言うことに逆らえなかった。
私が思い描いていた二人の暮らしは、最初から三人分の視線の中にあったのだと、今になって思う。
「これ、二人だけの写真のつもりだったんだけど」
そう伝えても、夫の表情は変わらなかった。誰かが声高に攻撃してくるわけではない。
ただ、夫婦のはずの線引きが、知らないうちに義母の手元へ寄せられていく。その薄気味悪さだけが、ずっと消えなかった。
今では義両親とはほぼ絶縁の状態だ。距離ができて呼吸は楽になったけれど、何枚もの写真を勝手に送られていたあの感覚は、いまだに胸の奥に沈んだままでいる。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














