「人違いだって!」休日のショッピングで見知らぬ子供と手を繋ぐ彼。浮気を否定する彼に突きつけた現実とは
手を繋いでいた三人
20歳のとき、4つ上の彼と3年付き合っていた。
出張が多く、連絡が途切れる日も珍しくなかったけれど、忙しい人なのだと自分に言い聞かせていた。
休日のショッピングセンターで、彼を見かけたのはまったくの偶然だった。
私は一人、彼は一人ではなかった。
女性と、2歳くらいの女の子。
三人は手を繋ぎ、ベビー用品の店に入っていった。どう見ても、家族だった。
足がすくんで、私はその場を動けなかった。女の子が「パパ、抱っこ」とねだると、彼は当たり前のように腰をかがめて抱き上げた。
慣れた手つきだった。一度きりの偶然ではない、日常の光景に見えた。
その日から、彼への電話は何度かけても繋がらなかった。やっと折り返しが来たのは三日後だった。
後日、勇気を出して尋ねたとき、彼の返事はあっさりしていた。
「人違いだって!」
その一言で片付けられそうになった。仕事が忙しいから連絡が取れないのだと、また自分に言い聞かせようとした。
けれど、目に焼きついた光景は消えてくれなかった。あの抱き上げる仕草が、何度も頭の中で再生された。
3年の嘘が崩れた瞬間
私はSNSで、あの日の女性らしき人を探した。たどり着いたアカウントには、家族ぐるみの投稿がいくつも並んでいた。
動物園、七五三、家族旅行。そのどれにも、彼が写り込んでいた。
3年付き合った相手は、最初から既婚者だった。連絡が取れなかったのは出張のせいではなく、帰る家がほかにあったからだ。
投稿の日付をたどると、私と会えないと言っていた日に、彼は家族で出かけていた。会いたいのを我慢していた休日に、彼は妻と娘の写真に笑顔で写っていた。
確信を持って、私は次に会う約束を取りつけた。席に着くなり、保存した投稿の画面を彼に向けた。
「この写真、あなたですよね」
彼はそれでも逃げようとした。
「そっくりさんだよ、髪型がそれっぽいだけだよ」
「奥さんが、毎週あなたとの写真を上げてますけど。それも全部そっくりさん?」
彼の頬がこわばり、言いかけた言葉を飲み込んだ。それから、ばつが悪そうに目を伏せて何も言えなくなった。
近くにいた女性客が、思わずといった様子で彼を見ていた。
「忙しいって嘘だったんですね。よくわかりました」
私はスマホをしまい、伝票を彼の側に押しやって立ち上がった。引き止める声はなかった。出口で振り返ると、彼は肩を縮めて、こちらと目を合わせようとしなかった。
泣くより先に、すっきりした自分がいた。3年分の連絡待ちから、ようやく解放された気がした。それ以来、相手の言葉だけを信じすぎないようにしている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














