「本に書いてあることより、経験のほうが確かよ」育て方に文句を言う義母。だが、夫の毅然とした態度で状況が一変
抱いた孫を返さない義母と募る不安
初めての子を連れて、義実家で迎えたお正月でした。
親戚が十人ほど集まる賑やかな部屋で、私はずっと落ち着きませんでした。
腕の中であやしていた我が子に、義母が手を伸ばしてきたのです。
「ちょっと貸してちょうだい」
そう言って抱き上げると、義母はなかなか返してくれません。
ミルクの時間だと伝えても、「まだ大丈夫よ」と取り合ってくれません。
慣れない場所で我が子がぐずっても、自分の抱き方を譲らないのです。
そればかりか、育児のやり方にも次々と口を挟んできました。
「母乳だけじゃ、足りてないんじゃない?」
私がかかりつけの先生に教わった話をしても、笑って取り合ってくれません。
「本に書いてあることより、経験のほうが確かよ」
親戚が見ている手前、強く言い返すこともできず、愛想笑いを浮かべるしかありませんでした。
(この子を、早く腕に戻したい)
そんな思いばかりが、胸の中でふくらんでいきました。
夫のひと言で姑が引き下がった瞬間
私のこわばった横顔に気づいたのは、夫でした。
親戚がずらりと見守るなか、夫はゆっくりと口を開きます。
「育て方は、僕たちに任せてほしいんだ」
穏やかですが、芯のある声でした。
いつもは物静かな夫の、思いがけないひと言でした。
そして義母の腕の我が子を見て、はっきりと言ったのです。
「返してあげて」
部屋の空気が、ふっと静まりました。
にぎやかに話していた親戚たちも、みな口をつぐんでこちらを見ています。
ふだんは一歩も引かない義母が、めずらしく黙り込んでいます。
そばにいた親戚の女性も、うなずいて声をかけてくれました。
「お母さんに任せるのが一番よ」
「……わかったわ」
そう小さく言って、義母は我が子を私の腕へと戻してくれました。
不満そうな顔は残っていましたが、それ以上は口を出しません。
戻ってきた我が子の温もりに、私はようやく肩の力を抜けたのです。
腕の中で、子どもがふにゃりと笑ったのが、何よりの救いでした。
夫が、みんなの前で私の側に立ってくれた。
そのことが、何よりも心強く感じられました。
それからというもの、義母の細かな口出しは、目に見えて減っていきました。
一人で気を張らなくてもいいのだと、教えてもらったお正月でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














