「そっちは子どもはまだなのか」従姉妹の祝いの席で孫を急かした義父。続けざまに信じられない言葉をぶつける義父に返した夫の正論
お祝いの席で向けられた質問
結婚して四年になる夏のことです。
夫の従姉妹が結婚したため、義実家には親戚が十五人ほど集まっていました。
食卓には料理が並び、久しぶりに顔を合わせた親戚たちの会話も弾んでいます。
従姉妹は真新しい指輪を見せながら、照れくさそうに笑っていました。
私も夫の隣に座り、幸せそうな姿をほほえましく眺めていたのです。
ところが食事の途中、向かい側に座っていた義父が、突然私に話を振ってきました。
「ところで、そっちは子どもはまだなのか」
周囲の話し声が、少しだけ静かになりました。
私は返事に困り、手元の料理へ視線を落とします。
すると夫が、すぐに口を挟みました。
「その話は、ここですることじゃないだろ」
しかし義父は、深刻に受け止めていない様子です。
「別に変なことは聞いてないだろ。結婚してもう四年なんだから」
さらに義父は、私に向かって言葉を続けました。
「歳を重ねると産むのも大変になるぞ。考えるなら早いほうがいい」
悪意のない口調だったからこそ、私はどう返せばよいのか分かりませんでした。
親戚の中には気まずそうに目をそらす人もいれば、聞こえなかったふりをして料理を取り分ける人もいます。
「私たちのことなので……」
なんとかそう答えましたが、義父はまだ話を終えるつもりがないようでした。
「わしらだって、いつまでも元気じゃないからな。孫の顔くらい見たいだろ」
夫が義父に伝えたこと
そのとき、夫が箸を置きました。
「父さん、もうやめて」
先ほどまでよりも、はっきりとした声でした。
義父は驚いたように夫を見ます。
「何をそんなに怒ってるんだ。心配して言ってるだけだろ」
「心配でも、みんなの前で聞いていいことじゃない。子どもを持つかどうかも、いつにするかも、俺たちが決めることだから」
夫は続けて、私の事情を勝手に尋ねないでほしいと伝えました。
「これからも同じことを言うなら、しばらく集まりには来ない」
食卓は静まり返りました。
義父は不満そうな表情を浮かべましたが、それ以上、子どもの話を続けることはありませんでした。
その後、夫は従姉妹に向き直ります。
「ごめん。せっかくのお祝いなのに、話を止めちゃって」
従姉妹は少し困ったように笑いながら、首を横に振りました。
「ううん。私もどうしようかと思ってたから」
話題は再び結婚生活や新居の話へ戻り、宴席には少しずつ笑い声が戻ってきました。
悪気がなくても、聞いてはいけないこと
帰りの車の中で、夫は私に謝りました。
「最初に言われたとき、もっと強く止めればよかった。嫌な思いをさせてごめん」
私は、あの場で味方になってくれたことがありがたかったと伝えました。
義父には、私を傷つけようという気持ちはなかったのかもしれません。
しかし、悪気がなければ何を聞いてもよいわけではありません。
子どもを望んでいても、思うようにいかない夫婦もいます。そもそも、子どもを持たない選択をする夫婦もいるでしょう。
夫婦の事情は、外から見ただけでは分かりません。
その後、義父が私たちの前で孫を急かすことはなくなりました。
夫が一度きちんと線を引いてくれたことで、以前よりも落ち着いて義実家へ行けるようになったのです。
親しい家族であっても、踏み込んではいけない話があります。
あの日の出来事を思い出すたびに、相手を思っているつもりの言葉ほど、口にする前に立ち止まる必要があるのだと感じています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














