「店員がいるのに、なんで客がやらなきゃならないんだ」セルフレジで操作を拒む男性。だが、隣の女性の一言で変わった態度
セルフレジの前で動こうとしない男性客
ホームセンターでレジの仕事をしていたころのことです。
店ではセルフレジを導入しており、私たち店員は機械のそばで、お客様に操作方法を案内していました。
ある日の昼、男性客が商品を1つ持ってセルフレジの前に来ました。
ところが、男性は商品を読み取ろうとせず、画面の前で立ったままです。
操作が分からないのかと思い、私は声をかけました。
「こちらに商品のバーコードをかざしていただけますか?」
すると、男性は不満そうな顔をしました。
「店員がいるのに、なんで客がやらなきゃならないんだ」
「操作はご案内しますので、まずはこちらからお願いします」
「だから、そっちでやってくれればいいだろう」
そう言うと、男性は腕を後ろに組んでしまいました。
「自分でやるなら、店員がいる意味ないじゃないか」
男性の声が少し大きくなり、近くを通っていたお客様もこちらを見ています。
私はもう一度操作方法を説明しようとしましたが、男性は画面に手を伸ばそうとしません。
どう対応しようかと困っていた、そのときでした。
隣の女性が口にした、何気ない一言
隣のセルフレジにいた年配の女性客が、私に声をかけてきました。
「すみません。分からないから教えてください」
女性も操作に戸惑っているようでした。
私は男性に「少々お待ちください」と伝え、隣のレジへ移りました。
「まず、こちらを押していただけますか?」
「あ、ここね」
「はい。次に商品を読み取ってください」
女性は私の説明を聞きながら、一つひとつ自分で操作していきました。
途中で何度か手を止めましたが、そのたびに確認しながら進め、無事に会計を終えました。
「ああ、できた。ありがとう。こうやって使うのね」
女性はうれしそうに笑いました。
そして、隣にいた男性に顔を向けると、穏やかな口調でこう言ったのです。
「私も最初は分からなかったのよ。でも、教えてもらったらできましたよ」
男性は女性をちらりと見ましたが、何も言いませんでした。
ただ、先ほどまで後ろに組んでいた腕をほどき、セルフレジの画面に向き直りました。
私が男性のところへ戻ると、小さな声で尋ねられました。
「……これ、どこからだ」
「こちらからです。商品をかざしてみてください」
男性は言われたとおりに商品をかざしました。
「これでいいのか?」
「はい、大丈夫です。次はこちらを押してください」
それからは特に文句を言うこともなく、私の案内に沿って操作を進めてくれました。
会計を終えた男性は商品を手に取り、そのまま店を出ていきました。
先ほどまでの強い口調が嘘のようで、私は少し驚きました。
すると、まだ近くにいた年配の女性が、私に小さく手を振ってくれました。
「次に来たときも、お願いね」
「はい。いつでも聞いてくださいね」
女性は笑顔で帰っていきました。
同じように操作が分からなくても、素直に聞いてもらえれば、こちらも落ち着いて案内できます。
女性に誰かを注意するつもりがあったのかは分かりません。それでも、その何気ない一言が男性の態度を変えるきっかけになったように感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














