「公園なんだし、少しくらい大丈夫でしょ」3歳くらいの息子を残して買い物へ。だが、母親が事務所で言葉に詰まった理由
「ここで待っててね」と母親は出ていった
昼すぎ、近所の大きな公園で休んでいたときのことです。
広場では何組かの親子が遊んでいて、奥には管理事務所がありました。
そこへ、3歳くらいの男の子を連れた母親がやってきました。
母親は広場の真ん中で足を止め、男の子に声をかけました。
「ちょっとコンビニに行ってくるね。ここで待ってて」
そのまま広場を出ていく姿を見て、私は思わず目で追ってしまいました。
近くの大人に預ける様子もありません。
男の子はその場に立ったまま、母親が出ていった方を見つめていました。
しばらくすると落ち着かない様子で何度も出口に目を向け、ついに声を上げて泣き始めたのです。
私はそばへ行ってしゃがみ、声をかけました。
「どうしたの。ママ、まだ戻ってこないね」
周りにいた母親たちも気づき、近くに集まってきました。
「大丈夫だよ。一緒に待っていようね」
一人の母親が小さなぬいぐるみを持たせると、男の子は少し泣きやみました。
それでも出口を見るたびに、また涙を浮かべます。
母親が出ていってから40分以上。待っているだけではいけないと思い、私たちは男の子を広場の奥にある管理事務所へ連れていきました。
事情を聞いた作業着のスタッフが、迷子として預かってくれました。
戻ってきた母親と、スタッフの一言
広場に戻ってしばらくすると、コンビニの袋を下げた母親が姿を見せました。
さっきまで男の子が立っていた場所を見回し、近くにいた私に声をかけてきます。
「ごめんなさい、うちの子、どこかで見てませんか?」
「管理事務所で預かってもらっています」
私が事務所を指さすと、母親は戸惑ったような顔をして、そちらへ歩いていきました。
私たちも後ろから見守りました。
事務所のガラス戸の向こうには、泣きやんだ男の子が座っていました。
入口にいた作業着のスタッフを見て、母親は不満そうに口を開きました。
「勝手に連れていかないでくださいよ。公園なんだし、少しくらい大丈夫でしょ」
スタッフは声を荒らげず、母親に伝えました。
「お一人で泣いていたので、こちらで保護しています」
母親は一瞬黙りました。スタッフが続けます。
「小さなお子さんを、ひとりにしないでください。お名前と連絡先もお願いします」
「……はい」
母親は袋の持ち手を握り直し、スタッフに案内されて事務所に入っていきました。
しばらくして、母親と手をつないだ男の子が出てきました。二人が私たちの前を通り過ぎるとき、男の子が振り向いて小さく手を振りました。
「ばいばい」
私も手を振り返しました。男の子が無事に母親のもとへ戻れて、ようやく胸をなで下ろしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














