「そんな安っぽいバッグ持って歩けない」スイミングの保護者席で笑ったママ友。だが、私が本当のことを伝えた結果
母が縫ってくれた布のバッグ
子どもがスイミングスクールに通い始めたころ、母が送り迎え用に布のトートバッグを縫ってくれました。厚手の生成りの布でできた、私のお気に入りです。
練習のあいだは、ガラス越しにプールが見える保護者席で待ちます。
そこでよく顔を合わせるのが、同じクラスのママ友でした。
そのママ友は、ほかのママたちの持ち物をよく見ていて、ブランド品や自分の家の話をすることが多い人でした。
「夫がまた海外なの。出張ばっかりで、私ひとりで大変よ」
「でもね、これ見て。夫に買ってもらった限定品なの」
周囲のママたちは相づちを打っていましたが、私はそうした話題が少し苦手でした。
ある週末の昼、練習を終えた子どもたちの着替えを待っていたときのことです。
同じベンチに座っていたママ友が、私の膝の上にあるトートバッグを見て声をかけてきました。
「ねえ、それどこの?ノーブランド?」
「ああ、これは…」
答えようとしたところで、ママ友が笑いながら言いました。
「私だったら、そんな安っぽいバッグ持って外を歩けないな。人目が気になっちゃう」
思いがけない言葉に、私は返事に詰まりました。
近くにいたママたちも会話が聞こえたようで、困った顔をしています。
母が私のために縫ってくれたバッグを、見た目だけでばかにされたことが悲しく、腹も立ちました。
けれど、言い返してけんかになるのも嫌だったので、まずはバッグのことをきちんと伝えようと思いました。
母の手作りだと伝えると
私はバッグに手を添え、ママ友のほうを向きました。
「これ、私の母の手作りなんです」
「えっ、手作り?」
「はい。母が私のために縫ってくれたもので、すごく気に入っているんです」
ママ友は少し驚いた顔をしました。
「あ、そう……。手作りなのね」
私は続けました。
「ブランド物ではないですけど、私にとっては大切なバッグなんです。だから、安っぽいって言われると、ちょっと悲しいですね」
ママ友は自分のバッグに目を落とし、しばらく黙っていました。
周囲のママたちも特に何も言わず、少し気まずい空気になりました。
その後、着替えを終えた子どもたちが出てくると、ママ友は誰にもあいさつをせず、保護者席を離れていきました。
後日、そのママ友が陰で私の悪口を言っていたと人づてに聞きました。
あまり気分のいい話ではありませんでしたが、あの日から私の持ち物について何か言われることはなくなりました。
今では、顔を合わせても会釈をする程度の関係です。
母が縫ってくれたバッグは、今も送り迎えのたびに使っています。
先日、保護者席で隣に座った別のママが、バッグを見て声をかけてくれました。
「そのバッグ、温かみがあってすてきですね」
「ありがとうございます。母が作ってくれたんです」
そう答えると、自然と笑顔になりました。
私にとっては、どんなブランド品よりも大切なバッグです。これからも長く使っていきたいと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














