「うちの子はそんなことしません!」子供の嫌がらせを否定し続けた母親→証人だらけで立場が一変した瞬間
娘が口にした小さな違和感
同じマンションに住む同級生五人で登下校するようになって、しばらく経った頃だった。学校から帰ってきた娘の表情が、なんとなく暗い。
「今日、また意地悪されてる子がいたの」
聞けば、五人のうちの一人が、大人のいない通学路で周りの子に嫌がらせをしているという。
「やめてって言っても、やめてくれないの」
されている子は登校をいやがり、付き添う親も気にしはじめていた。とはいえ大人の目が届かない時間帯のことだ。確かめようがないようにも思えたが、通学路には他の学年の子も大勢歩いている。見ている子どもは、いくらでもいた。だからこそ、放っておけば被害がさらに広がるのは目に見えていた。
話にならなかった訪問
このまま見過ごすわけにはいかない。されている子の親たちと相談して、私はその子の母親に直接伝えにいった。誰を責めるためでもなく、まずは事実を知ってほしかった。ところが、玄関先で返ってきたのは取りつく島もない言葉だった。
「うちの子はそんなことしません!」
母親は私の説明を遮るように声を上げた。
「嘘ついたことないんです、うちの子は!」
「ほかのお子さんも見ているようなんです」
私がそう続けても、彼女は首を横に振るばかりだった。
「みんなでうちの子を悪者にしたいだけでしょう」
何を言っても同じ答えが返ってくるだけで、会話が成り立たない。これは伝わらないと悟って、私は静かにその場を後にした。
むきになって言い争っても、子どもたちのためにはならないと思ったからだ。
証人だらけの中で広がった事実
それからは、あえて何も働きかけずに様子を見ることにした。通学路には証人が大勢いる。その子の行いは、わざわざ騒ぎ立てるまでもなく、見ていた子どもたちから親たちへと自然に伝わっていった。
「うちの子もその場にいたって言ってる」
「見てた子、ほかにも何人もいるみたいよ」
そんな声があちこちから上がりはじめると、保護者たちは口を出すでもなく、ただ静かにその親子と距離を取るようになった。
あれほど強気だった母親も、エントランスで会うとそそくさと目をそらして通り過ぎる。以前は誰かれ構わず話しかけていた人が、今では誰とも目を合わせない。やがてその親子は登校班から離れ、揃って孤立していった。残された子どもたちの朝は、すっかり穏やかさを取り戻した。
「もう怖くないね」
嫌がらせをされていた子が、ほっとした顔でそうつぶやいたと聞いて、私は胸をなでおろした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














