「親戚も誕生日会に呼んどいた」と勝手に参加人数を増やした親戚。だが、妻の正論で黙り込んだ
急に増えた参加者
子どもの5歳の誕生日会を、自宅で開いた日のことだ。
招待したのは夫の親戚3家族、合計8人分の取り皿をリビングに並べ、唐揚げとサラダ、ロウソクを刺す前のケーキも8人で分ける計算でそろえていた。
朝から夫と二人で、子どもの好きな飾り付けまで仕上げた。
正午すぎに玄関のチャイムが連打された。先に着いたのは夫の従姉一家3人。続けて、顔も覚えのない親戚一家が、子ども連れで上がり込んできた。
「身内だから大丈夫だと思って、親戚も誕生日会に呼んどいたから」
義従姉が、上機嫌でそう言った。
連れてきたのは合計5人。想定の倍、16人になった。
「席、足りないですよね…」
夫が小声でつぶやいた。私は冷蔵庫から作り置きを全部出し、子どもたちは床にクッションを並べて座らせた。
ケーキは追加で切り、ジュースは半分の量を注いだ。誰に何を出したかも分からないまま、会は進んだ。
義従姉は終始、にこにこしていた。手土産はなかった。
(こっちは身内じゃないんですか)
翌年から定着したルール
子どもたちがケーキを食べ終えたタイミングで、私は立ち上がってリビングの中央に出た。
「ちょっと、皆さんに一つだけお願いがあります」
笑顔のまま、義従姉のほうを見てから全員に向き直った。
「次回から事前連絡をお願いします」
「人数が分かれば、ちゃんとおもてなしできるので」
義従姉の顔から、すっと笑顔が消えた。
グラスを持ったまま、口を半開きにして固まっている。
「いや、悪気はなかったんだよ。身内だし…」
「身内だからこそ、ご飯も席もきちんと用意したいです」
私が静かに返すと、義従姉は言葉に詰まったまま固まった。グラスを置く音だけが響いた。
耳が真っ赤になっていくのが、向かいの席から見えた。
連れて来られた側の親戚の奥さんが、すぐに立ち上がって頭を下げた。
「本当にすみません。お招きいただいたのかと思って来てしまって」
「お気になさらないでください。今日は最後まで楽しんでいってください」
場にいた他の親戚も「うちも、次回からは確認するね」と次々にうなずいた。義従姉だけが、テーブルの一点を見つめたまま動かなかった。
義従姉は最後の片づけまで、ほとんど口を開かなかった。
帰り際、玄関で目を合わせずに小さく会釈して去っていった。
翌日、私は親戚グループのメッセージに招待者リストの雛形を共有した。
翌年の誕生日会では、義従姉から2週間前に「うち3人で伺います」と連絡が入った。事前連絡は、それ以降の親戚集まりの常識になった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














