「はい、これ。畑で採れたから」義両親の連日アポなし訪問。だが、実家に帰ると告げた後の夫の態度に救われた
毎日来る義両親
新居は、義実家から車で五分の場所にある。
里帰り出産で私が留守の間に、引っ越しは夫と義両親が済ませてくれていた。
だから義両親は、わが家の間取りも収納も、全部頭に入っている。それがいけなかったのかもしれない。
退院して戻ると、義両親はまるで自分の家のように出入りするようになっていた。
連絡はない。
義父は朝、義母は昼、それぞれ違う時間に、毎日やってくる。
「はい、これ。畑で採れたから」
手土産は欠かさない。だから最初は、私も笑顔で受け取っていた。
けれど、生まれたばかりの子を抱えての毎日は、想像以上に過酷だった。
「今日はね、煮物を多めに作ったのよ」
義母の善意は、本物だったと思う。それでも、玄関の呼び鈴が鳴るたびに体がこわばるようになっていた。
擁護する夫
やっと眠った子が、インターホンの音で泣き出す。いつ来るか分からないから、心が休まらない。シャワーを浴びる時間さえ、落ち着いて取れなかった。
寝不足のまま、私はだんだん追い詰められていった。
ある日、届け物を受け取るだけ受け取って、私は黙ってドアを閉めた。
冷たい態度だった自覚はある。けれど、もう笑う余裕がなかった。
その夜、義両親から夫に苦情の電話が入った。電話を切った夫は、私を責めた。
「良かれと思ってるんだから優しくしろよ」
「親父もお袋も、傷ついたって言ってたぞ」
私は何も言い返せなかった。
味方だと思っていた人にまで責められて、胸の奥が冷えていった。
折れた夫
けれど、その晩、ついに我慢の糸が切れた。
「やっと寝かしつけたのに、インターホンで起こされる毎日なの。いつ来るのか、一日中、気が休まらないの」
涙が止まらなかった。
「もう来ないでって伝えて。それができないなら」
「子供を連れて実家に帰る」
その言葉に、夫はようやく事の重さに気づいたようだった。テレビを消して、私の前に座り直す。
「……悪かった。お前にばっかり、負担を押しつけてた」
翌朝、夫は義両親に電話をかけ、「来るときは前もって連絡してほしい」と、自分の言葉で伝えてくれた。それでも勝手に来ることはあったけれど、私は態度を変えなかった。
そのたびに、夫が玄関で間に入る。
「連絡なしはやめてって言ったろ。母さん、約束は守って」
義母はばつが悪そうに、義父は目を泳がせて引き返していく。最初は不満そうだった二人も、何度か繰り返すうちに、来る前には必ず一本の電話を入れるようになった。
あれだけ義両親の肩を持っていた夫が、今ではすっかり私の側だ。気づけば、突然の訪問はぴたりと止んでいた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














