夫「母さんがもう車種、決めといたから」ファミリーカーの車種を勝手に決められた。だが、半額を要求する姿勢に怒りがおさまらなかった
勝手に進んでいた契約
結婚してから、夫婦の財布はずっと別々だった。子どもも二人いて、古くなった車を買い替える時期がきた。
次の車は、お互いの貯金から半分ずつ出す。そう話し合って決めていたはずだった。ところがある日、夫が見積書を持ち帰ってきた。
「母さんがもう車種、決めといたから」
見れば、予算をはるかに超える大きな車種。販売店との話も、契約寸前まで進んでいた。
「決めといたって、二人で選ぶ約束だったよね」
「母さんが、これがいいって。家族で乗るならこれくらいって言うんだよ」
義母に相談して、義母の好みで話を固めてきたのだ。私には一言の相談もなかった。
通帳を開いた朝
「これ、見積りだと予算の倍だよ。私の貯金じゃ半分も出せない」
「金は半分出せよ」
「決めたのは決めたんだから、今さら覆せない」
選ぶのは義母、払うのは折半。その身勝手さに、私は静かに自分の貯金通帳を取り出した。
「半分出すって言うなら、見せて。私が車用に貯めてきたの、ここまで」
テーブルに通帳を開いて置く。残高を見た夫の表情が、みるみるこわばった。
「あなたの貯金は、今いくら?この車の半額、本当に出せるの」
「……それは、これから貯めて」
「契約寸前なんでしょう。これから貯めて間に合うの」
夫は答えられなかった。義母の選んだ車は、二人の貯金をかき集めても手が届かない額だった。マザコンと責めるより先に、数字が事実を突きつけていた。
「お金を半分出す人が、車を半分選ぶ。それが折半だよね」
私がそう言うと、夫はうつむいて口をつぐんだ。
二人で選んだ一台
翌日、夫は販売店に契約を白紙に戻したいと連絡を入れた。義母には「身の丈に合わなかった」と自分の口で説明したらしい。
「悪かった。お前に何も言わずに進めたのは、間違ってた」
その後、私たちは休みの日に二人で展示場を回り、家計で無理なく買える車を選び直した。義母の名前は、もう一度も出てこなかった。
「この色、お前が気に入ったやつにしよう」
夫はそう言って、私にパンフレットを手渡した。「母さんが」と繰り返していた頃の強気は、すっかり消えていた。決める側と従う側が、いつのまにか入れ替わっていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














