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2026.08.10(Mon)

「そこ、もう少しきちんとしなさい」法事の席で続く伯母の小言。だが、年上の親戚が一言で止めた瞬間

「そこ、もう少しきちんとしなさい」法事の席で続く伯母の小言。だが、年上の親戚が一言で止めた瞬間

受付で声をかけてきた伯母

祖父の七回忌で、久しぶりに親戚が集まった日のことです。

私は玄関脇の受付で袱紗から香典を取り出し、両手で従兄に渡しました。名前を書いて一礼し、その場を離れようとしたときでした。

近くにいた伯母が、私の背中に小さな声をかけてきました。

「そこ、もう少しきちんとしなさい」

振り返ると、伯母は私の喪服の襟元を見ています。

どうやら少し内側に折れていたらしく、私は慌てて手で整えました。

「ありがとうございます」

そのときは、それだけのことだと思っていました。

食事中も続いた小言

読経が終わり、親族で食事を囲み始めると、伯母がまた私に声をかけてきました。

「さっきも言ったけど、こういう日は身なりをちゃんとしておかないとね」

「はい、気をつけます」

ところが、話はそこで終わりませんでした。

「最近の若い人は、そういうことを教わらないのかしら」

さらに、挨拶の仕方や座り方、食事の席での振る舞いまで話が広がっていきます。

最初は相づちを打っていた私も、次第に何と返せばいいのか分からなくなりました。

向かいに座っていた従姉は黙って煮物をつつき、叔父も気まずそうに湯呑みに手を伸ばしています。

伯母としては、私に恥をかかせないよう教えてくれていたのかもしれません。

ただ、せっかく祖父を偲んで集まった席なのに、いつの間にか食卓全体が静かになっていました。

大叔母が口にした一言

そのとき、上座に座っていた祖父の妹にあたる大叔母が、伯母に向かって穏やかに言いました。

「もうそのくらいでええんじゃない。今日は兄さんの話をしようや」

叱るような口調ではありませんでした。

伯母は一瞬黙ると、「まあ、それもそうね」と箸を持ち直しました。

すると大叔母が遺影を見ながら笑います。

「兄さんなんて、お経が長いと昔からすぐウトウトしとったけどなあ」

叔父が吹き出し、従兄も「そういえば昔も」と祖父の思い出を話し始めました。

止まっていた会話が少しずつ戻り、伯母もいつの間にか昔話の輪に加わっていました。

帰り際、大叔母が私のそばに来て、小さな声で言いました。

「襟なんて直せば済むことや。ちゃんと来てくれたことのほうが大事やから」

私はその言葉に、ようやく肩の力が抜けました。

作法を大切にすることも必要なのでしょう。でも、それ以上に大事なものがあることを、大叔母の一言に教えてもらった気がしました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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