「絶対1位なのに、おかしい」運動会で審判に大声で抗議し続けた母親。だが、役員にたしなめられた瞬間
ゴール脇から聞こえてきた大きな声
秋の運動会。子どもの小学校の校庭には、朝から大勢の保護者が集まっていました。
私はビデオを片手に、我が子の徒競走の順番を待っていました。あちこちから応援の声が上がり、競技が終わるたびに拍手が起こる、いつものにぎやかな運動会です。
そんな中、ゴール付近からひときわ大きな声が聞こえてきました。
「絶対1位なのに、おかしい」
見ると、走り終えた子どもの母親が、審判を担当していた先生に詰め寄るように話していました。
どうやら自分の子が一着だったはずなのに、二着という判定になったことが納得できないようです。
「うちの子が一番だったはずです。もう一度ちゃんと確認してください」
先生は記録係とも確認したうえでの判定だと、落ち着いた様子で説明していました。
それでも母親は、その場を離れようとしません。
少し離れたところでは、当の子どもがうつむいたまま立っていました。周囲の保護者も気にはしているものの、親子の問題に口を出すわけにもいかず、遠巻きに様子を見ています。
次の競技が始まる時間になっても
やり取りが続いているうちに、次の徒競走に出る子どもたちがスタート位置へ移動し始めました。
ところがゴール付近では、まだ母親が先生に説明を求めています。先生も運営を止めるわけにはいかず、困った様子でした。
「見ていた人だって、うちの子が一番だったって分かるはずです」
母親が周囲を見回したところで、運営席から腕章をつけた役員の女性が近づいてきました。
しばらくやり取りを見ていたようで、母親のそばまで来ると静かに声をかけます。
「お母さん、その辺にしておきましょう」
母親はまだ何か言いたそうな表情をしていました。
役員の女性は責めるような口調ではなく、続けました。
「先生方も確認してくださっています。それに、お子さんもずっと待っていますよ」
その言葉に、母親は初めて子どものほうを振り返りました。
子どもは少し離れた場所で、こちらを気にしながら黙って立っています。
母親はしばらくその姿を見たあと、「……すみません」と小さく言い、先生に頭を下げました。
そして子どものもとへ戻ると、二人でその場を離れていきました。
ほどなくして次の競技が始まり、校庭には再び応援の声が戻りました。
順位に納得できず、つい熱くなってしまうこともあるのかもしれません。それでも、役員の女性に声をかけられて初めて、母親もすぐそばにいた子どもの様子に気づいたのでしょう。
強く責めるのではなく、今起きていることを静かに伝えた一言が印象に残った出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














