「棚に書いてあった値段と違うんだけど」値札のずれに怒る客。だが、店長が庇ってくれた結果
レシートを手に戻ってきたお客様
その日、私は夕方のスーパーでレジを担当していました。
仕事帰りのお客様が増え始め、どのレジにも数人ずつ列ができていた時間帯です。
少し前に会計を終えた女性が、レシートを手に再び私のところへやってきました。
「ちょっと、これ。棚に書いてあった値段と違うんだけど」
四十代くらいの女性で、かなり怒っている様子でした。
私はレシートの商品名と金額を確認しましたが、レジへの入力自体に間違いはありませんでした。
「申し訳ございません。売り場の表示も確認いたします」
近くのスタッフにレジを任せ、該当する売り場へ向かいました。
そこで確認すると、確かに女性の言うとおり、商品棚には実際の販売価格より安い値段の札が見える状態になっていました。
ただし、その札は別の商品用のもので、何かの拍子に位置がずれてしまっていたようです。
説明しても続いた強い言葉
レジへ戻った私は、女性に事情を説明しました。
「お待たせいたしました。申し訳ございません。別商品の値札がずれており、分かりにくい表示になっていました」
店側の確認不足でもあるため、その場で対応について案内しました。
すると女性は、レシートを指でたたきながら言いました。
「じゃあ、やっぱりそっちが間違ってたんでしょう」
「表示が分かりにくかった点については、申し訳ございません」
そこまでは当然のご指摘だと思いました。
ところが、女性の言葉はさらに強くなっていきました。
「でも、この人は高い値段でそのまま通したのよね。分かっててやったんじゃないの?」
「レジでは登録されている価格が表示されますので、私が金額を変更したわけではありません」
そう説明しても、女性は納得しません。
「そんなの分からないじゃない。客が気づかなかったら、そのままだったんでしょう?」
周囲のお客様もこちらを気にし始め、私はどう答えるべきか迷いました。
売り場の表示についてはこちらに非があります。しかし、私自身が意図的に金額を変えたかのように言われるのは、さすがにつらく感じました。
店長が伝えたこと
そこへ、やり取りに気づいた店長が来てくれました。
店長はまず女性の話を最後まで聞き、売り場を確認したスタッフからも状況を聞き取りました。
そして、女性に頭を下げました。
「値札がずれており、誤解を招く表示になっていたことについては、こちらの確認不足です。申し訳ございませんでした」
女性も「そうでしょう」とうなずきました。
すると店長は続けました。
「ただ、レジ担当者は登録された価格どおりに会計しております。意図的に高くしたわけではございませんので、その点だけは分けてお考えいただければと思います」
女性はしばらく黙っていました。
それから少し声の調子を落として、
「でも、紛らわしいのは困るからね」
と言いました。
店長はもう一度謝り、すぐに値札の位置を直すことを伝えました。
女性はそれ以上私を責めることなく、レシートをしまって店を出ていきました。
お客様が去ったあと、店長は私に言いました。
「表示はこちらのミスだから、そこはきちんと謝らないといけない。でも、君がわざとやったことにされる必要はないからね」
その言葉を聞いて、私はようやく肩の力を抜くことができました。
こちらに落ち度があるときは、きちんと認めて謝る。それと、事実ではないことまで受け入れるのは別なのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














